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Chartmetric、2024年のトレンド・統計をまとめた「A Year in Music」公表

ビジネス 海外

音楽データ分析ツールを手がけるChartmetricは、その年の統計やトレンドをまとめた「A Year in Music」の2024年版を公表した。同社は1,110万組以上のアーティストと1億2,600万曲以上の楽曲を追跡しており、そのデータを元に、トレンドからアーティストのキャリアレベルまで、音楽業界の主要分野について包括的な見解を提供している。 

今回のレポートでは、独自に割り当てたアーティスト・スコアに基づき、多くのアーティストがキャリアステージの移行を経験したと指摘。アーティストの大半が「未発見」と「発展途上」のカテゴリーにとどまる中、2,800組が「メインストリーム」に、308組が「スーパースター」に到達した。 

チャペル・ローンは2024年1月1日時点では「中堅アーティスト」とみなされていたが、わずか11ヵ月後には追跡されているアーティストの上位1%以内に入り、「スーパースター」となった。スーパーファンが重要な役割を果たしたという。 

人気アーティストの首位は、ブルーノ・マーズ。これにテイラー・スウィフト(前年1位)、ビリー・アイリッシュ、ロゼ、ドレイク、レディー・ガガ、ジャスティン・ビーバー、ザ・ウィークエンド(同4位)、エミネム、アリアナ・グランデが続く。 

上位500アーティストのうち13%がラテン系で、最高は13位のカロルG。なお、Spotifyの月間リスナー数ランキング上位のラテン系アーティストは、バッド・バニー(7,015万人)、シャキーラ(6,090万人)、J・バルヴィン(5,790万人)、カロルG(5,700万人)だった。 

追跡された1,100万組のSpotifyプロフィールのうち、月間リスナーが10人以上いるのは158万組(14%)に過ぎず、そのうち37%が1,000組を超える。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「世界のミュージシャン(1,110万組)のうち、メインストリームのアーティストは3,964組に1組(0.025% 2,800組)、スーパースターは36,038組に1組(0.0028% 308組)というデータがChartmetricから発表された。1億曲以上が聴き放題の時代、埋没からの脱却が何よりも大事になっている。上位500アーティストのうち13%がラテン系(スペイン語・ポルトガル語)で、これは中南米での音楽配信の普及と、アメリカでのヒスパニックの台頭(人口の19.5%)が大きいだろう。そういえば最近、バッド・バニーの楽曲がグローバルチャートで何曲も席巻している。音楽ストリームの総量で見るとそろそろインドがアメリカを超えそうなので、インド系というカテゴリもこうした国際的な調査に登場しそうだ。」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。