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米政府、監視している音楽著作権侵害サイトのリスト公開 「模倣品・海賊版の悪名高き市場に関する報告書」2024年版

ビジネス 海外

米国通商代表部(USTR)は1月8日、「模倣品・海賊版の悪名高き市場に関する報告書」、通称「悪名高き市場リスト(NML)」の2024年版を公表。Music Business Worldwide(MBW)は、知的財産(IP)がオンラインで海賊版化されるメカニズムの重要な部分として、音楽業界なども長年指摘しているストリームリッピングサイト、Torrentファイルのインデックスサイト、不正なIPTVプロバイダー、一部のファイルホスティングサービスが挙がる中、今年は特に「防弾(匿名性の高い)」インターネットサービスプロバイダー(ISP)とウェブホスティングサービスへの注目が増していると指摘した。 

NMLでは「防弾ISPは、顧客が著作権侵害コンテンツをアップロードし、配信することを許可する寛大さを明確に宣伝する利用規約を特徴とする」と説明されており、IP権利者から「海賊版サイトがこれらのISPに依存しているため、権利者が侵害コンテンツを削除することがますます困難になっている」との報告もあったという。 

また、消費者がフィジカルな音楽メディアを含むコピー商品を購入できるEC(電子商取引)プラットフォームが急増。監視対象にはTikTok運営元のバイトダンス(北京字節跳動科技)が所有する「抖音商城(Douyin Mall)」も含まれている。 

世界知的所有権機関(WIPO)のデータによれば、米国は世界最大のIP輸出国で、2022年の輸出額は1,273億9,000万ドル(約20兆円。日本は529億7,000万ドルで3位)。全米商工会議所グローバルイノベーション政策センター(GIPC)は、海賊行為が2019年に米国経済に与えた損害額が292億ドルに及ぶと報告している。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ファイル共有が登場して今月でちょうど26年が経ったが、現在の海賊版の最前線は”防弾ISP”(匿名性の高いインターネットサービスプロバイダー。”防弾ホスティング”とも)になっていると米国通商代表部(USTR)は発表した。海賊版サイトやサービスを運営する上で防弾ISPが欠かせないものになっているので、こうしたISPへの国際的な対処が今年、各国で推進されていくことになりそうだ。他に違法コピー商品の売買が可能なECの存在も指摘されており、TikTokの親会社バイトダンスが所有する抖音商城(Douyin Mall)も監視対象になっている

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。