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ストリーミング可能な楽曲、年間再生10回以下が半数近くに

ビジネス 海外

2024年にオーディオストリーミングサービスで利用可能だった2億200万曲のうち、半数近くが通年で10回以上再生されなかったーー。AIを駆使した制作ツールなどの台頭により楽曲リリースが爆発的に増加し、ストリーミングプラットフォームが過飽和状態となっている。米国のエンターテインメント業界向けデータ会社Luminate(ルミネイト)が1月16日に公表した2024年の年末レポートから、こうした実態が明らかとなった。 

内訳を見ると、年間再生回数がゼロ〜10回だったのは9,320万曲。11〜100回は4,770万曲、101〜1,000回は3,460万曲、1,001〜10万回は2,410万曲、10万1〜100万回は210万曲、100万1〜1,000万回は42万7,700曲、1,000万1〜1億回は6万曲、1億1〜10億回は4,800曲。10億回を超えたのは33曲となっている。 

全体のおよそ87%に当たる約1億7,550万曲、つまり10曲に9曲が、1,000回以上再生されていないこととなる。Spotifyは昨年、年間再生回数が1,000回に満たない楽曲へのロイヤリティー支払いを停止した。 

再生回数がゼロの楽曲数は明らかにされていないが、Music Business Worldwideは「全体の4分の1程度(約5,000万曲)になると考えられている」としている。 

なお、1,000万再生を超えた楽曲数は、前年から8万5,000曲増えた。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「Luminateによると音楽ストリーミングにある2億200万曲のうち、年間0再生が約25%、10再生以下が約46%、100再生以下が約70%、1000再生以下が87%、1万再生以下が98.8%だった。10万再生以上は7791曲に1曲、100万再生以上は41,012曲に1曲で、1000万再生以上は311,569曲に1曲、1 億再生以上は4,179,599曲に1曲。簡易計算としてメジャー契約しているアーティストの印税収入が0.1円/再生(多めに設定)で考えると年にストリーミングで10万円以上稼いでいる曲(100万再生以上)は0.24%だ。楽曲の埋没そしてサブスク+αのビジネスモデルが課題になっていることがこうした数字から体感できる 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。