Apple Music、ストリーミング操作の割合は「1%未満」
Apple Musicにおけるストリーミング操作の割合は、全体の0.3%程度ーー。同社の音楽パートナーシップおよびビジネスプログラムのグローバル責任者であるブライス・マクラフリン氏は、不正防止策が功を奏したと自信を示した。Music Allyが1月21日伝えた。
一方で、自社に楽曲を提供しているディストリビューターの中には、その割合がもっと高いところもあると指摘。地域によっては、ある1つのレーベルのストリームが90%を占めるが、その98%が操作されていたという。
不正対策については「防御の第一線は配信時」と主張。コンテンツプロバイダーは、配信するコンテンツが合法的なアーティストの合法的なコンテンツであることを保証する責任があり、これを支援する自社のツールは、使用から半年でストリーミング操作の割合を9%から1%未満に引き下げた実績があるという。
同社は2022年、不正操作の特定と防止に焦点を当てた新しいプログラムを開始。操作されたストリームをほぼリアルタイムで除外したり、コンテンツプロバイダーや公式チャート会社、アーティストに明確なレポートを提供したり、(必要に応じて)コンテンツを削除したりと、数々の対策を行なっている。不正操作対策を講じないディストリビューターに対して、金銭的な罰則を科す「インセンティブ」も導入している。
新プログラムの導入から半年で、操作されたストリームは30%減少。その後のアップデートで、さらに20%減った。
マクラフリン氏は、ストリーミング操作の動機は主に「金銭的な利益追求」と「人気取り」で、主な手法は「自動プログラムの使用」と「欺瞞(偽コンテンツ)」だと指摘した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「アーティストになりすまして音楽売上を掠め取るストリーミング詐欺は総再生回数の1割で30億ドル(約4600億円)という推測データを以前紹介したが、Spotifyは総再生数の1%未満、Apple Musicは0.3%と小さく、おそらく他のDSPで対策が進んでないことが分かってきた。DSPに楽曲を流通させるディストリビューターでの対策も課題になっている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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