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Spotifyの再生当たり支払い、AppleとAmazonの半分以下 報告書

ビジネス 海外

音楽フィンテック企業Duettiは1月24日、2024年の「音楽経済レポート」を公表。Apple Music、YouTube、Spotify、Amazon Musicの再生ごとのロイヤリティー支払いを比較し、「Spotifyが業界のレートを抑えている」と示唆した。これについてSpotifyは、解釈だけでなく、数字にも異議を唱えている。 

Duettiによると、再生1,000回当たりに支払われるロイヤリティーは、Amazon Musicがトップで8.80ドル(約1,362円)。これにApple Music(6.20ドル)、YouTube(4.80ドル)、Spotify(3.00ドル)が続く。再生1,000回当たりの収益は世界平均3.41ドルと、2023年(3.46ドル)、2022年(3.69ドル)から縮小したが、落ち込みは減速している。 

Duettiは併せて、Spotifyが値上げしたにもかかわらず、1,000再生当たりの平均支払額が2024年に減少していること、Spotifyの「ディスカバリー・モード」が再生当たりの収益を低下させていること、独立系アーティストによるストリーミング収入の割合(ウォレット・シェア)で、Spotifyの落ち込みをYouTubeが吸収したことを主張した。 

これに対し、Spotifyは「馬鹿げていて根拠がない。ストリーミング・サービスがストリームごとに支払うことはない」などと反論。同月28日には、音楽業界に支払った金額が2024年に過去最高の100億ドルとなり、創業から累計で約600億ドルに達したと明らかにした。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「1,000再生の楽曲使用料はAmazon Musicがトップで8.80ドル(約1,362円)、Apple Music(6.20ドル)、YouTube(4.80ドル)、Spotify(3.00ドル)というDuetti社のレポートが音楽ニュース各サイトで紹介され物議に。Spotifyは「馬鹿げていて」どのDSPも再生数かけるいくらでは支払っていないと反論。どういう意味かというと、DSPは基本的に総売上を再生数の比率に応じて分配している。総売上が多いDSPほどミュージシャンに還元できるわけで、その意味では世界最大のサブスク売上を持つSpotifyは最もミュージシャン側に還元していることになる。またSpotifyでは音楽シーンを盛り上げた人気曲、人気アーティストにはボーナスが出るように設定しており、メジャーレーベルにはまとまった額のイニシャルマージンも支払われている。サブスクは有料の音楽ファン自体を増やすことが個々のミュージシャンへの支払いを増やす仕組みでもあるので、Spotifyの主張も正しいが、現場からは再生あたりの楽曲使用料だとAmazonやApple Musicが秀逸という声は度々聴いている。根本的には聴き放題にとらわれないサブスク+αのビジネスモデルの開発・普及が鍵になると「サブスクなにそれ?」だった昔から私は考えている」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。