ヤマハ、24年4月~12月期は事業利益15%増 通期予想を下方修正
ヤマハは2月5日、2025年3月期第3四半期の連結業績(2024年4月1日~12月31日)を発表した。
売上収益は、中国の市況低迷による楽器販売の不振が続くものの、法人向け音響機器の好調継続に加え、デジタルピアノの売上が回復してきたこと、為替の円安による影響もあり前年同期に対し89億円(2.6%)増加の3,507億円となった。事業利益は、為替の円安による影響等により、前年同期に対し41億円(14.9%)増加の319億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、アコースティックピアノ構造改革の一環として、インドネシアピアノ工場の閉鎖を決定したことに伴い生産設備等に関して30億円の減損損失を計上したことなどから、64億円(31.0%)減少の143億円となった。
楽器事業は、売上収益が2,249億円(前年同期比1.4%減)、事業利益が183億円(同14.1%減)。アコースティックピアノは、中国における市況低迷が継続したことにより大幅な減収となった。電子楽器は、デジタルピアノの販売が回復し増収。管弦打楽器は、米国における財政支援の終了により減収となった。ギターは、前期並みの実績だった。
音響機器事業は、売上収益が980億円(前年同期比13.6%増)、事業利益が115億円(同181.1%増)。個人向け事業は、ホームオーディオ縮小により減収となった。法人向け事業は、業務用音響機器の需要増が続き大幅な増収だった。
部品・装置、その他の事業は、売上収益が277億円(前年同期比1.0%増)、事業利益が21億円(同11.6%減)。電子デバイスは、車載オーディオの出荷が好調に推移したことにより大幅な増収となった。自動車用内装部品、FA機器、ゴルフ用品は、減収だった。
通期の業績予想は、2024年11月1日に公表したものから売上収益は据え置くものの、事業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益を下方修正した。
事業利益は、音響機器事業で一時処理費用を第4四半期に見込んだこと等により、従来予想の370億円(前期比9.9%増)を330億円(前期比1.9%減)に修正。親会社の所有者に帰属する当期利益は、第3四半期に計上したインドネシアピアノ工場の生産設備等の減損損失に加え、第4四半期に同工場における特別退職費用等35億円を見込んだことなどにより、従来予想の180億円(前期比39.3%減)を135億円(前期比54.5%減)に引き下げた。これにより、一連のピアノ構造改革費用の計上は完了する。なお、本予想における第4四半期の想定為替レートは、対USドル150円、対ユーロ160円となっている。
広告・取材掲載