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次にくるジャンルは「pluggnb」? 人気のサンプル音源ダウンロード「Splice」で急成長

ビジネス 海外

通年で約3億5,000万ダウンロードを達成した、人気の定額制サンプル音源ダウンロードサービス「Splice」で、2024年に最も成長したジャンルは「pluggnb」(プラグンビー)だった。 

同社は、英国の音楽専門コンサルティング・ファームのMIDiA Reserchと共同でレポートを作成。自社のデータを深掘りし、向こう数年のリリース楽曲のトレンドを予測する狙いだ。 

サンプルパックのダウンロード数の伸びは、pluggnbが前年比342.8%増の69万9,987回と、2位のK-POP(328.2%増、83万2,058回)を上回った。3位はジャージー・クラブ(281.3%増、129万8,679回)で、ベルリンのクリエーターに人気という。 

報告書では「2024年には非公式pluggnbリミックスがTikTokを席巻。LE SSERRAFIMやILLITのようなK-POPの大物たちがこのジャンルを採用するきっかけとなった」と指摘されている。 

ダウンロード数で見ると、首位はヒップホップ(4,870万回、1.8%増)で、次いでトラップ(3,500万回、3.1%増)と、既成のスタイルが引き続き上位を占めた。2024年に飛躍したポップミュージックだが、ここでは縮小。前年の3位から5位に転落した。これは「ポップスが廃れつつあるのではなく、K-POPやシティ・ポップといった新たな地域のスタイルが台頭し、進化していることを意味している」という。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「pluggnbをご存知だろうか?Spliceは?pluggnb(プラグンビー)とはヒップホップのジャンルPlugにR&Bを足した造語で、ゆったり目のトラックに歌っぽいラップを載せたいわば「美メロのヒップホップ」。TikTokで非公式なリミックスとして昨年、流行した。Splice(スプライス)は定額制のサンプル音源ライブラリーで、ヒップホップに限らずトラックメーカーが愛用。元々は動画等に付ける楽曲を売るサービスだったが類似サービスに埋没して、音楽を作る素材(サンプリング音源)を月額制で使い放題というふうにしたら、業界標準といえるほど広まった。このSpliceで作成された音楽で最も伸びたのがpluggnb。記事に同ジャンルの日本人アーティストの曲のプレイリストを貼っておくのでチェックしてみてほしい」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。