DSPの透明性とレポート正確性、首位はSoundCloud
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音楽ストリーミング分析によるロイヤリティー収入の適正化サービスを手がけるLegitary(オーストリア)は1月29日、2023年のDSP(デジタル音楽配信事業者)ランキングを発表した。ストリーミング活動の広範なデータセットを基に、DSPの透明性とレポートの正確性を評価したもので、首位にはSoundCloudが輝いた。トップ10は以下の通り(カッコ内は前回順位との比較)。
DSPの透明性とレポートの正確性ランキング
- SoundCloud(+1↑)0.0074
- Apple Music(+1↑)0.0078
- Spotify(-2↓)0.008
- Deezer(+3↑)0.009
- Tidal(+1↑)0.0133
- Pandora(+4↓)0.0138
- Amazon(-3↓)0.0225
- YouTube(-3↓)0.0525
- TikTok(+2↑)0.0731
- iHeartRadio(-2↓)0.1542
Legitaryは、透明で信頼性の高い報告は「音楽業界の持続可能な未来の礎」だと強調。今回の調査結果は、アーティスト、レーベル、出版社に対する公平な報酬を確保する上で、強固なデータ分析の重要性が高まっていることを再確認させるものだと説明している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「音楽ストリーミング事業者が再生回数などを正確に報告して透明性を持って音楽売上を支払っているかのランキングで1位SoundCloud、2位Apple Music、3位Spotifyという報告。下位にYouTubeやTikTokがあるが、ユーザーがアップロードするタイプは技術的にも難易度が高い。しかしYouTubeの登場で初めて音楽ソフト・ビジネスが成立するようになった国も多く、著作権管理が弱かったグローバルサウス諸国はそれで次の成長地域になったという貢献もある。TikTokもメジャーレーベルの要請を受けており、この報告書は2023年のデータに基づいているが、その後どこまで正確性が向上しているか業界から注目されている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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