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大御所や演歌・歌謡曲のヒットが見える!?R40世代志向の『おとおんベストテン』が開始

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2025年1月より、音楽系YouTubeチャンネル「おとおんチャンネル」にて、おとなの音楽をベストテン形式で発表する動画『おとおんベストテン』が毎週公開されている。

これは、現在、最も信頼されていると言われるヒットチャートの『ビルボードジャパン』と同じく、ラジオ、CD、ダウンロード、ストリーミング、ミュージックビデオ、カラオケの6指標を、独自の指標を用いて総合順位を決定したもの。その大きな特徴は、チャートの対象が、40代以上(R40)または歌謡曲・演歌系のアーティストに限定していることだ。

現在、ビルボードジャパンの総合チャートを見ると、40代以上で上位に数週以上滞在するのは、back numberくらいで、TOP100を見渡しても、ほとんど見当たらない。これは、『オリコン』がヒットチャートの権威だった00年代に、B’zやサザンオールスターズ、DREAMS COME TRUEといったR40アーティストがヒット常連であったことや、秋川雅史「千の風になって」や坂本冬美「また君に恋してる」などの歌謡曲・演歌系の特大ヒットが見られたこととは状況とは大きく異なっている。ビルボードジャパンのチャートは、音楽の聴き方として主流のストリーミングサービスを重視したものとなっているが、R40世代は、ストリーミングが若い世代ほど浸透しておらず、いわゆる“推し活”とは別に、ダウンロードやCDで音楽を聴くというスタイルも決して少なくないということが一因とも考えられる。

そこで、『おとおんベストテン』では、ストリーミングやミュージックビデオの配分を減らし、その分、CDやダウンロード、カラオケを増やして、こうした“おとなヒット曲”を可視化しようというのが狙いのようだ。実施しているのは、音楽マーケッターの臼井孝で、20年以上にわたって、ヒットチャートの分析、アーティストへの取材、そしてコンピレーションCDやプレイリストの選曲を手がけてきた。臼井は

「今や人口の6割以上がR40世代なのに、日本を代表するヒットチャートにR40世代の楽曲がTOP301曲あるかどうかというのに、ずっと違和感をいだいてきました。

また、近年、昭和歌謡ブームと言われますが、それ以上にベテラン・アーティストの“最新曲”がCDやダウンロードで売れているケースも多いです。また、歌謡曲・演歌で、ここ数年、推し活の強い男性演歌歌手のCDヒットがありますが、これを00年代のように、カラオケやダウンロードなど総合的にヒットするように応援したい。そういった想いでこのチャートを始めました。」

と語っている。なお、Mrs.GREEN APPLEBE:FIRST、あいみょん、藤井風 など40才未満のおとな人気アーティストは、ビルボードジャパンの総合チャートを引き続きチェックして応援していると言う。

ちなみに、130日発表の第4回「おとおんベストテン」では、第1位が、4週連続でサザンオールスターズの「桜、ひらり」、第2位が、back number 2020年作品「水平線」、第3位がB’zの配信限定シングル「鞭」、そして第4位が歌謡曲を歌う男性6人組のMATSURIのデビュー曲「アヴァンチュール中目黒」となっており、音楽番組の『うたコン』や『紅白歌合戦』のようなラインナップとなっている。

2月8日発表回では、星野源の配信シングル「Eureka」や、歌謡曲を歌う辰巳ゆうと「運命の夏」の上位入りが期待されるとのこと。おとなヒット曲が注目されることで、音楽業界全体の活性化を期待したいところだ。

 

 

臼井孝(うすい・たかし)

人と音楽をつなげたい音楽マーケッター。1968年、京都市生まれ。京都大学大学院理学研究科卒業。総合化学会社、音楽系の広告代理店を経て、’05年に『T2U音楽研究所』を設立し独立。以来、音楽市場やヒットチャートの分析執筆や、プレイリスト「おとラボ」「レコメモ」など配信サイトでの選曲、CDの企画や解説を手がける。著書に『記録と記憶で読み解くJ-POPヒット列伝』(いそっぷ社)、デイリー新潮にて『未来へつなぐ平成・昭和ポップス』連載中。データに愛と情熱を注いで音楽を届けるのがライフワーク。

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