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Spotify、初の通期黒字 値上げと有料会員増が貢献

ビジネス 海外

Spotifyは2月4日、2024年12月期(2024年1〜12月)の純利益が11億3,800万ユーロ(約1,813億5,500万円)となり、2008年のサービス開始以来初の通年での黒字を達成したと発表した。前年の5億3,200万ユーロの赤字から大きく改善している。これを受け、株価は10%以上の伸びを示した。 

総売上高は、156億7,300万ユーロと18%増加。1年で2度の値上げを実施したにもかかわらず、有料会員数が11%増の2億6,300万人に急増したことが寄与した。月間アクティブユーザー数(MAU)は6億7,500万人と12%拡大している。 

営業利益は13億6,500万ユーロと、1年前の4億4,600万ユーロの赤字から黒字に浮上した。 

第4四半期に限ると、総売上高は42億4,200万ユーロと16%増加。粗利益率は32.2%で前年から555ベーシスポイント改善した。営業利益は4億7,700万ユーロとなり、1年前の7,500万ユーロの赤字からプラスに転じた。 

2025年第1四半期については、総売上高が42億ユーロ、粗利益率が31.5%、営業利益が5億4,800万ユーロになると予想。MAUは6億7,800万人、有料会員数は2億6,500万人にそれぞれ伸びるとみている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「Spotifyは赤字体質だったが、値上げと会員増が奏功して初めて通年での黒字化を達成した。レーベルや著作権団体、アーティストへの支払いで月額の6割ほどが消え、さらにカード手数料やAppleやGoogleへの手数料、税金を引くと粗利は3割ほど。そこからシステム開発、運営費、宣伝費などを支払ってきた。しかし90年代のITブーム以来、アメリカの株式市場は赤字でも売上が拡大していれば投資が進むスキームが普及したため、Amazonなどもつい最近まで赤字のまま経営規模を拡大してきたし、Spotifyもそうした戦略を取ってきた。創業者のダニエル・エクは通年黒字が見えたここ三ヶ月で1.6億ドル(約246億円)をキャッシュアウトして話題になっている」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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