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広告付きプラン有料化の可能性「常にオープン」Spotifyのダニエル・エクCEO

ビジネス 海外

Spotifyが2月4日に開いた決算説明会について、ラジオ・インターネット業界のニュースメディア「RAINニュース」がまとめている。 

ポッドキャストについては、質疑応答の中で、広告主に付加価値を与える4つの方法(AI、動画、ポッドキャスト、オーディオブック)の1つとして触れる程度だった。ダニエル・エクCEOは「エンゲージメントを高め、解約を減らす複数の方法を見つけている」と語った。 

ビデオポッドキャスト(動画版ポッドキャスト)に注力する中、競合YouTubeに追いつく策を問われると、競争はあまり考えず、消費者とクリエーターのニーズに目を向けていると断言。「世間では勝者総取りのような構図となっているが、実際にはクリエーターはマルチホームを望み、より多くのプラットフォームに参入したいと考えている」とした。 

広告付きプラン有料化の可能性は、具体的にはコメントできないとした上で、「チャンスをどう進化させるかは、常にオープンにしている」と述べるにとどめた。 

2022年に発表した年20%成長という収益目標の達成方法については、ユーザー数の伸びとマネタイズの両方が組み合わさったものになると説明。世界中の音楽に関心を持つ人に対し、「Spotifyは(2024年9月末時点の月間アクティブユーザー数が)まだ6億4,000万人。まだまだ成長できる」が、人口的には継続した大幅な成長は難しいとみている。一方、収益面では、価値と価格の差をある程度縮められるとした上で、より多くの価値提供と、さらなる値上げも示唆した。 

AI DJについては、複数の指標で素晴らしい結果が出ているという。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「Spotifyといえば基本無料のフリーミアムモデルで、マイナーだったサブスクをメジャーに引き上げる歴史的な貢献を果たしたが近年、先進国のサブスクの伸びが鈍化し、かつNetflixなど動画サブスクで広告付きの廉価版が大人気なことから、主にソニーミュージックから「そろそろ基本無料を止めて広告付き廉価版をSpotifyでも始めるべきだ」との要請が来ていた。これを受け、Spotifyのダニエル・エクCEOは今回の決算説明会でその可能性に対して「常にオープン」と回答。すでにSpotifyの有料会員が微減の傾向を見せているアメリカで無料のかわりに廉価版を導入すれば、Spotifyの売上的にもプラスとなることは論理的にはありえる話だ。この場合、ひとつの転換点になるだろう

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。