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全米音楽出版社協、Spotifyに新たな法的措置 ポッドキャストで曲の無断使用

ビジネス 海外

NMPA(全米音楽出版社協会)は2月4日、Spotifyのプラットフォーム上のポッドキャストで音楽が無許可で使用されているとして、同社に対する継続的なテイクダウン・イニシアチブを開始したと発表した。 

この日から、Spotifyに「NMPA会員の著作物の何千もの無許諾使用を削除するよう」通知を送付。最初の通知には、2,500件超の侵害検出が含まれるという。このイニシアチブには、3大メジャーを含む19社のNMPA加盟出版社が参加している。 

この動きは、オーディオブックと音楽の「バンドル」契約により、音楽著作権者に支払われる使用料が大幅に引き下げられたことを巡り、NMPAが同社に対して起こした法的措置に続くもの。 

Spotifyのバンドル契約を巡っては、米地方裁判所が1月29日、同国の著作権管理団体MLCの訴えを棄却していた。 

NMPAの声明に対し、Spotifyの広報担当者は「MLCの訴えが退けられたことに対する弱い反応だ」とコメント。NMPAの無許諾作品があるという主張に何度も詳細を求めたにもかかわらず、それにも答えず、今回の動きに踏み切ったのは「注目を集めるための行為」との見方を示した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「初の通年黒字を達成してめでたいSpotifyだが最近、アメリカの音楽出版協会(作詞作曲の売上を担当する会社の協会)といざこざが続いている。Spotifyはノンミュージックの有望株であるオーディオブックと音楽のバンドルをアメリカで始めたが、そこで音楽著作権への支払いが大幅に下げられたと昨年に訴えられ、今回はポッドキャストで無断で音楽を2500件超、使用していると訴えられた。日本にいるとピンとこないかもしれないが、Spotifyで音楽以外のコンテンツが再生される割合は年々増えており、相対的に音楽売上が減る可能性は確かにある。とはいえ拙著でも書いたとおり、歴史的に音楽をキラーコンテンツにして台頭したメディアが音楽以外の扱いを増やしてさらに成長していく現象は常に起きており、もはや法則に近い」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。