広告・取材掲載

広告・取材掲載

TikTok親会社、音楽ライセンス・プラットフォームひっそり立ち上げ

ビジネス 海外

TikTokの親会社のバイトダンス(北京字節跳動科技)は、「EasyOde」と呼ばれる「ワンストップの利用許諾を得た音楽プラットフォーム」を立ち上げたようだ。米国著作権局(USCO)への提出書類などを基に、Music Business Worldwide(MBW)が2月5日伝えた。 

英ケイマン諸島に拠点を置く関連会社Lemon Inc.を経由して、EasyOdeに関連する2つの商標を出願。商標はさまざまなカテゴリーで登録されており、「音楽ライセンスサービス、すなわち他者の音楽のライセンスの商業管理」「ユーザーが音楽、楽曲、アルバムのライセンス、購入、再生、共有、ダウンロード、作曲、録音、アップロード、編集を行うことを可能にする、携帯電話やタブレットコンピュータ向けのダウンロード可能なモバイルアプリケーション」が含まれる。 

EasyOdeのウェブサイトによると、このサービスは「新しいメディアや伝統的なメディアプロジェクト、その他の音楽関連サービスで使用するための高品質なトラックとサウンドエフェクト」を提供。ライブラリには「6万曲の利用許諾を得た」楽曲を収録している。 

このほか、「複数のスタイルと長さのオプションを備えた音楽カスタマイズ」や、アップロードしたトラックの「ビートと構造の分析」サービスも手がける。 

利用規約では「投稿およびアップロードされるユーザーコンテンツが、ユーザーによって作成されたもの、またはユーザーに合法的にライセンスされたものであることに同意する必要がある」と規定。知的財産権を侵害しないことも条件となる。 

ウェブサイトの著作権は、バイトダンスのSAMI(Speech, Audio & Music Intelligence)チームに帰属。プラットフォームは、バイトプラス(BytePlus)が所有している。バイトプラスはバイトダンスが2021年に立ち上げたもので、AI技術を販売するための新部門と伝えられている。バイトダンスは、Lemon Inc.の関連会社を通じて、米国で「バイトプラス」の商標を所有している。 

なお、MBWは「EasyOde上の音楽がAI生成物だと示唆しているわけではない」と強調。EasyOdeの利用規約には「このサイトで利用可能な音楽はすべてEasyOdeが制作またはライセンス供与したもの」とある。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「TikTokがケイマン諸島にひっそりと音楽ライセンス・プラットフォームを立ち上げていたという報道。取り扱い曲は6万曲で、TikTok親会社のAI部門が会社を所有している。報道したMBWは「EasyOde上の音楽がAI生成物だと示唆しているわけではない」と但し書き。今のところ生成AIの楽曲がチャートインという話は結局出てきてないが、TikTokのダンス動画などがバズを起こした場合、そのBGMに生成AIが使われていて、曲の学習素材が著作権のある人気曲だったというケースは起こり得る。今後に注目したい」