乃木坂46のプロデュース等を行うKeyHolder、24年1~12月期は増収増益 次期は増収減益の見通し
乃木坂46のプロデュース等を行うKeyHolderは2月13日、2024年12月期の連結業績(2024年1月1日〜12月31日)を発表した。
売上収益は310億9,000万円(前期比+13.0%)、営業利益は28億500万円(前期比+42.7%)、税引前利益は26億2,900万円(前期比+38.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は25億円(前期比+18.3%)となった。なお、営業利益のうち、物流事業や倉庫事業を展開する株式会社トポスエンタープライズ(TPO)を10月1日付けで連結子会社化したことに伴う会計処理により、識別可能な無形資産の評価など公正価値で測定された純資産額が支払対価を上回った負ののれん発生益25億5,100万円を含んでいる。
総合エンターテインメント事業は、売上収益が143億8,300万円(前期比+27.1%)、セグメント利益が5億8,900万円(前期比△72.3%)となった。ゲームアプリの企画・開発・運営等を行う株式会社10ANTZ(TA)のグループインにより売上収益は増加しているものの、同社における売上計画を含めた計画値との乖離幅が大きく、併せて売上原価率の上昇に伴う粗利率の悪化により、TAにおいて営業損失1億7,400万円を計上した。これに加え、同社の取得時に計上していたのれんの一部を筆頭に、他のグループ会社における業績動向ならびに次年度以降の計画などを見直したことにより、一部固定資産なども合わせた8億4,700万円の減損処理を実施したことが、同セグメントの利益を前期比で大きく押し下げる要因となった。
映像制作事業は、売上収益が67億3,800万円(前期比+0.3%)、セグメント利益が1億5,400万円(前期比△19.0%)となった。レギュラー番組では、安定的な稼働を継続し、売上収益では堅調に推移。一部の番組では制作に係るコストコントロールが効果的に効き始めたものの、人件費の増加に伴う利益率の悪化や、TOKYO ROCK STUDIO株式会社(TRS)に紐づく海外案件やドラマ及び映画製作等の大型案件を獲得するためのロビー活動などに係る先行費用を計上していることに加え、当該案件の進捗状況が当初の予定から来期以降にズレ込んだことなどにより、前期比で減益となった。
広告代理店事業は、売上収益が79億1,900万円(前期比△15.5%)、セグメント利益が1億7,400万円(前期比△37.5%)となった。主要広告クライアントとの取り組みにおいては、好採算案件の獲得が順調に推移し、アフィリエイト広告の分析・運用などを担うメディア事業部門でも、運用の見直しやコスト改善を図った。しかし、デジタル広告部門における主要取引先である男性用脱毛サロンが関係する業界全般で、広告出稿の在り方が見直される動きが想定以上に大きく、長期化したことにより、前期比で減益となった。
その他事業は、同社において不動産賃貸事業及び10月1日から物流事業を展開するTPOがグループインしたことにより、当該会社の3か月分の実績を取り込んでいる。売上収益は20億4,900万円(前期は売上収益1億400万円)、セグメント利益は27億8,000万円(前期はセグメント利益1,800万円)となった。なお、TPOのグループインに伴う会計処理により、識別可能な無形資産の評価など公正価値で測定された純資産額が支払対価を上回った負ののれん発生益25億5,100万円を含んでいる。
2025年12月期については、売上収益が350億円、営業利益が15億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が13億円になると予想。TPOの年間寄与による前期比+12.6%程度の増収と、2024年12月期に計上したTPOの取得に伴う負ののれん発生益25億5,100万円などによる前期比△46.5%程度の減益を見込んでいる。
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