YouTube視聴、テレビが主要デバイスに モバイル版アプリのユーザー体験の低さも一因?
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YouTubeのニール・モーハンCEOが2月11日に公表した年頭書簡によると、YouTubeをテレビで視聴するユーザーの数がモバイルを上回った。
併せて、米調査会社ニールセンのデータを引用し、米国でのストリーミング視聴時間が2年連続で首位を獲得していることにも言及。YouTubeは、これらをテレビ用アプリ(YouTube TV)のUI刷新の効果だと考えているようだが、テクノロジー関連メディアのギズモード(GIZMODO)は、モバイル版アプリのユーザー体験(UX)の低さが背景にあると主張している。
モバイル版は、垂直スワイプを重視するようになり、アルゴリズムで選んだコンテンツをユーザーにプッシュするように変化。フィードは短編コンテンツを推す「YouTubeショート簡易版」のような仕様になっており、これはユーザーがYouTubeに求めているものではないと指摘した。
YouTubeのテレビ用アプリでは、実際に見たいコンテンツが見つけられるよう、より幅広い選択肢を用意。また、モバイル版Netflixアプリは、一部コンテンツをユーザーに直接推しながらも、ユーザーが興味のありそうなコンテンツを横一列に整理して表示して選択肢を提供していると述べている。
なお、YouTubeによると、テレビ経由の視聴は1日平均10億時間以上で、ショート動画も視聴されているという。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「GoogleがYouTubeを買収したとき「いずれYouTubeがTVになる」と言われたが、翌年iPhoneの登場からYouTubeといえばスマホとなり、気づけば今度はスマホよりTVでYouTubeが視られる時代になった(アメリカ)。ただ、YouTubeのスマホ版がTikTokに寄せすぎて、逆にスマホ視聴のシェアが下がっているのではというツッコミも入っていて、そうかもなあとも思う。テレビっ子だったシニア世代も、TVで地上波ではなくYouTubeばかり観ている層が増えた」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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