エスエム・エンタ主要株主のカカオ、スーパーファン・プラットフォームを年内立ち上げ HYBEのWeverseに対抗
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韓国のエスエム・エンタテインメントの主要株主であるカカオエンターテインメントは、スーパーファン・プラットフォームを年内にローンチする計画だ。現在、同市場の支配的地位にあるHYBEの「Weverse」に挑戦する。同社の話を元に、コリア・ヘラルドが2月4日伝えた。
サービス名は「Berries(ベリーズ)」となる見通し。エスエム・エンタテインメントの子会社であるDearUが運営する既存サービス「Bubble(バブル。アーティストと1対1のコミュニケーションアプリ)」と、Berriesとのシナジー効果を活用し、ファンダム・プラットフォーム市場に本格参入する見込みだ。
カカオエンターテインメントは、親会社のカカオと合わせて、SMエンターテインメント株40.28%を保有。スターシップやイダム、アンテナ、ISTなど複数のK-POPレーベル、タレント事務所、ドラマ・映画制作スタジオも所有している。
Berriesは、Weverseと同様に、配信とグッズ販売を統合した、EC主導のファン・プラットフォームとなると見通しだが、音楽を超え、俳優、ドラマ、映画、ウェブトゥーンなど、総合的なエンターテインメントのプラットフォームとなることを目指している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「HYBEの運営するWeverseはBTSをキラーコンテンツにしてスーパーファン・プラットフォームの時代を築き上げ、音楽サブスクの先にあるビジネスモデルを世界の音楽業界に示したが、今度はHYBEの好敵手エスエム・エンタテインメントの親会社カカオ・エンタテインメントがスーパーファン・プラットフォームに参入する。同社は日本で言えばLINEに相当するカカオから始まり、運営する音楽配信MelOnは韓国でSpotifyを凌ぐNo.1の地位にあってレーベルや芸能事務所、ドラマ映画スタジオも持つ。いわばLINEが総合エンタメ企業として多角化したような存在で、レコチョクが縮小気味である日本の通信事業者もこれを参考にスーパーファン事業参入を決断してくるかもしれない。」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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