広告・取材掲載

広告・取材掲載

AI訓練の「フェアユース」認めず 対AI企業の著作権訴訟、トムソン・ロイターが勝利

ビジネス 海外

ロイター・ニュースの親会社であるトムソン・ロイターが米AI開発会社ロス・インテリジェンスを著作権侵害で提訴したことを巡り、米デラウェア州連邦地方裁判所は2月11日、著作物によるAI訓練が「フェアユース(公正な利用)」に該当するというロスの主張を退け、原告側に有利な判決を下した。 

AI関連の著作権訴訟におけるフェアユースという注目の問題に関して、米国初の判決が下されたこととなり、著作権利者にとっては朗報だと言えるだろう。ただし、本件はAIによる新たなコンテンツの生成に関するものではなく、既存の著作物の無断使用を巡るものだった。 

トムソン・ロイターは、子会社の法律検索プラットフォーム「Westlaw(ウエストロー)」の著作物をロスが不正にコピーし、AIを活用した競合の法律プラットフォームを開発しようとしたと主張していた。 

フェアユースとは、著作権で保護された著作物を一定の状況下で無許可で使用することを認める原則。テック企業は、AI訓練がこれに該当すると主張している。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「大手AI企業が著作権のある楽曲を大量に学習させて続々と訴えられているが、AI側は「AI学習での音楽利用は文章の引用と同じくフェアユースの範囲内」と反論してきた。それは無理筋ではというのが大方の予想だったが今回、音楽ではなく記事でそれをやっていたロス・インテリジェンスというAI企業に対し、ロイター社が勝訴。AI訓練での著作物の利用はフェアユースの範囲外という判決が初めて出た。当然、判例として音楽産業にも影響をしてくると予測される」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。