B2BディトリビューターのFUGA アジア太平洋地域で提携先拡大

B2BディトリビューターのFUGAは2月13日、インドネシア、インド、フィリピンで相次いでパートナーシップを結んだと発表した。アジア太平洋地域での成功体験を経て、さらに多くの顧客にディストリビューションおよびマーケティング・サービスを提供する方針だ。 

インドネシアでは、ジャカルタを拠点とするレーベル「Maspam Company」と提携。同社はシンガーソングライターでプロデューサーのPamungkasの本拠として2018年に設立された。PamungkasのSpotify月間リスナーは830万人。 

さらに、Spotifyで月間570万人超のリスナーを持つインディ／フォーク・グループのBatas Senjaを擁するレーベル兼ディストリビューター「Sintesa Pro」とも契約した。 

インドでは、Karan Randhawa、Mix Singh、Ninjaといったアーティストを抱える「GK Digital」や、Gajendra Vermaを擁するマネジメント・プラットフォーム「DroomMusic」とパートナーシップを結んだ。 

フィリピンでは、レーベル「GMA Music」と、ラッパーのPricetaggと新規契約。なお、同国出身の既存顧客のTJ Monterdeは最近、Spotifyで10億再生を突破した。 

（文：坂本 泉）  

榎本編集長「世界的ディストリビューターであり、日本ではスペシャと提携して授業を進めるFUGA。昨年、ヴァージンが親会社のDOWNTOWNを買収してユニバーサルミュージック傘下となったが今月、インドネシア、インド、フィリピンでも日本と同じ方式でパートナーシップを結び、成長著しいグローバルサウス諸国への進出を加速してきた。グローバルメジャーはこれまで途上国を米英のビッグアーティストを売る場所として捉え、現地アーティストを確保したり売ったりするノウハウがなかったが、そこをTuneCore擁するBelieveなどがディストリビューターという新しい立場で市場開拓を進めており、気づけばそうした国でグローバルメジャーに匹敵する売上シェアを作ってきた経緯がある。ユニバーサルミュージックが傘下となったFUGAを通じて成長領域となったグローバルサウスでカタログを揃えていくのは合理的であり、今後の業績に注目したい」