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ワーナー・ミュージック、アフリカ最大級のディストリビューター「Africori」を完全買収

ビジネス 海外

ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は2月12日、アフリカに特化した、ディストリビューターで著作権管理やマーケティングなども手がける「Africori」の完全買収を完了したと発表した。 

2009年に設立した同社は、ヨハネスブルグを本拠に、アフリカ最大級のインディペンデント・ソング・カタログを構築。7,000人以上のアーティストを代表している。カタログには、Kelvin Momo,やMaster KG,、Nkosazana Daughter、Oscar Mbo、TitoM & Yuppeらの楽曲が含まれる。 

WMGは2020年、Africoriに初めて投資。同社のカタログとA&Rネットワークにアクセスできるようになり、「アフリカの多くの市場で初めて存在感を示せるようになった」という。2022年にAfricori株式の過半数を取得し、現在に至る。 

Africoriは今後も、独立した事業体として運営を継続。ヨエル・ケナンCEOが続投し、ワーナー・ミュージック・アフリカのマネージング・ディレクターであるテミ・アデニジ氏に報告する。 

両社はAfricoriのアーティストと楽曲をWMGのグローバル・ネットワークに移れるよう「システムを調整」したという。 

国際レコード産業連盟(IFPI)によると、サハラ以南は2023年に最もレコード音楽が急成長した地域だった。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「TuneCoreの親会社としても知られるBelieveの買収に昨年春失敗したワーナーミュージックだが、アフリカに特化したディストリビューター「Africori」を買収した。アフリカ=民族音楽というのはもはや過去となり、都市的に洗練されたアフリカのダンスミュージックが力強く伸び、2023年のデータだがApple Musicで前年比4倍の急成長を遂げている。先進国のライブ/サブスクブームが一巡し、グローバルメジャーは次の成長領域となるグローバルサウス諸国への投資を進めているが、Africoriが本拠地を置く南アは音楽の新たなビジネスセンターとなりつつある」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。