Spotify、スーパーファンに6ドル追加課金か チケット早期アクセスなど
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Spotifyが準備を進めている高価格帯プランが具体化しつつあるようだ。ブルームバーグが2月15日、情報筋の話として報じたところによると、同社はスーパーファン向けサービス「Music Pro」へのアクセス料として、プレミアム会員に月額最大5.99ドル(約900円)を追加請求することを検討している。
Music Proには、高音質オーディオ、AIを活用したリミックス・ツール、コンサートチケットへの早期アクセスなどが含まれる見通しだ。
まずベーシック版を市場投入し、数年をかけてツールや機能を段階的に追加していく方針。なお、価格設定は地域によって異なり、新興市場では割安になる見込みだ。
導入時期は今年後半を目指しているものの、まだ詳細を検討中で、全ての主要音楽会社から権利を得ているわけではないため、価格やスケジュールは確定していないという。
米国では現在、個人向けプレミアム会員価格が月額11.99ドルで、Music Proを利用するためには月額18ドルほどを支払うこととなる。この価格帯は、昨年7月にダニエル・エクCEOがアナリストに語った見通し(月額17〜18ドル程度)と一致している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Spotifyの高価格版はMusic Proという名で高音質、AIリミックス、先行チケット枠が含まれるようだ。価格は50%増で、今年後半導入を目標としている。アメリカで有料会員が微減するなど先進国での成長率が頭打ちのSpotifyは前々から高価格プランの導入を検討してきたが、メリットが高音質だけだとApple Musicが通常会員に既に提供しているので弱かった。AIのリミックスツールもプラスで月額6ドルを取るのには弱く、武器は先行チケット、つまりスーパーファンを狙ったものになる。私はぴあで似たビジネスモデルに関わっていたが、先行チケットはファンクラブなどが優先され、枠を押さえるのにそれなりにコストがかかる。だがアーティストにとっては買い手の競合が増えればチケットの卸値が上がるし、サブスク売上自体も増えるので朗報だろう。これも書籍等で言ってきたポストサブスクの流れの一環になる」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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