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ライブネーション、DSPとチケット先行販売で協議 Spotify・Amazon・Appleの3社

ビジネス 海外

Spotifyが準備を進めている高価格帯プランに、コンサートチケットへの早期アクセスが含まれることが示唆される中、競合のApple MusicやAmazon Musicも同様の展開を検討しているようだ。ライブネーション・エンターテインメントのマイケル・ラピーノ社長兼CEOは2月20日に開いた決算説明会で、SpotifyやAmazon Music、Apple Musicとチケット先行販売について協議していると明らかにした。 

ラピーノ氏は「3社と協力して、双方にとってうまくいくモデルを見つけようとしている」とコメント。ストリーミング・プラットフォーム(DSP)に先行販売を追加することは「コストがかかる」が、「非常に貴重な資産である前売り」のために、自社が持っている他のオプションと比較して、合理的なものであれば、受け入れる用意があると述べた。 

ブルームバーグは同月15日、情報筋の話として、Spotifyが今年導入予定のスーパーファン向けサービス「Music Pro」に、高音質オーディオ、AIを活用したリミックス・ツール、チケット先行販売が含まれると報道。同社はアクセス料として、プレミアム会員に月額最大5.99ドル(約900円)を追加請求することを検討しているという。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「売上3兆円を超える音楽イベント会社ライブ・ネイションがSpotifyだけでなくApple MusicやAmazonとも先行チケットの交渉をしていると決算説明会で表明。先行チケットはファンクラブやチケッティングサイト、主催会社、スポンサーで枠を取り合う世界だが、ここにスーパーファンプラットフォームや大手DSPが入りこんでくると金銭的価値が更に上昇することになる。それがアーティスト側へ還元される形になるかは今後を見守りたい。またApple MusicやAmazon Musicが既存の月額プランで先行チケットを出してくる場合、Spotifyは新しい高価格帯プラン(Music Pro)で目玉企画を失うことになる。高音質は既にライバルが通常価格で提供しているからだ」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。