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ユニバーサル ミュージック、国際標準名称識別子ISNIを正式採用 メタデータの運用改善

ビジネス 海外

ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)は、メジャーレーベルとして初めて、ISNI(国際標準名称識別子)システムを正式に採用した。これにより、似た名前のアーティスト間の混乱をなくし、デジタル・サービス・プロバイダー(DSP)の手作業を減らすことができると期待されている。ISNIインターナショナル・エージェンシーが2月24日発表した。 

ISNIは、クリエイティブ・セクター全体の知的財産に関わる個人や組織に割り当てられる世界標準の識別子。音楽分野では、プロデューサー、作家、その他のクリエイティブな人々など、音楽作品の制作に関わる全ての貢献者のための「デジタル・パスポート」として機能する。各クリエーターに特定の識別子を提供し、オンラインでの発見可能性を高める。 

UMGはまた、ISNIシステムを利用して、自社のシステム内の実演家と作詞家のデータを、IPN(国際実演家番号)やIPI(利害関係者情報)といった識別子にリンクさせる。これにより、録音、作品、収益の統合されたビューが提供される。 

2025年2月現在、UMGのデータベースに登録されている10万人以上の貢献者にISNIが割り当てられており、過去5年間にUMGを通じてコンテンツをリリースしたアーティストの大半が含まれている。 

2018年には、YouTubeがISNI登録機関となっている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ユニバーサル ミュージック、ISNIを正式採用と言われても何のことかピンと来ないかもしれないが、ストリーミング時代にはかなり大事な決定となる。例えばリサという名のアーティストは世界に20名以上いて、そして世界では何兆もの音楽再生があり、そこで標準の識別子が楽曲に付いてないとレコメンデーション・エンジンや検索が機能しないだけでなく、支払いがまともにレーベルやアーティストへ行かなくなる。その漏れは売上の10%から25%とも言われており、世界売上No.1のレーベルが国際標準名称識別子のISNIを正式採用したことで、この整備が進むことになる。識別子で他に知っておきたいのは記事にあるIPN(国際実演家番号)やIPI(利害関係者情報)のほか、楽曲の録音(原盤)に紐づくISRCと、作詞作曲に紐づくISWCがある。ISNIはアーティストに紐づき、これらを補完することになるだろう」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。