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YouTube Music、契約者が1億2,500万人突破 米国でYouTube Premium廉価版の試験展開始まる

ビジネス 海外

YouTubeは3月5日、YouTube MusicとYouTube Premiumの契約者数が1億2,500万人を突破したと発表した(無料トライアルのユーザーを含む)。昨年2月時点の1億人から大きく伸ばした。併せて、YouTube Premiumの廉価版となる「YouTube Premium Lite」の試験展開を米国にも拡大した。 

米国では月額7.99ドルで提供(YouTube Premiumは同13.99ドル、YouTube Musicは同10.99ドル)。廉価版プランは、音楽ビデオ以外のコンテンツの広告表示を排除する一方、オフラインダウンロード、バックグラウンド再生はできない。 

試験展開については「広告なしで大半の動画を見たい視聴者のために、機能とメリットの適切なバランスを確認するため」だと説明している。 

YouTubeの音楽部門のグローバル責任者であるリオ・コーエン氏によると、初期の試験運用では、廉価版から通常プランにアップグレードした会員の割合は、廉価版にダウングレードした会員よりも多かったという。 

コーエン氏は1億2,500万人突破について「信じられないようなマイルストーン。この勢いは(音楽)業界への収益貢献度No.1になるという目標に不可欠なもので、そこに到達するまで止まることはない」とコメントした。 

また、今後の展望として「音楽ビデオのルネッサンス」を予測。「それは最大の制作予算を持つことでなく、音楽ファンが見ないわけにはいかない本物のヒーローコンテンツを共有することだ」と主張。アーティストやファンがより簡単に動画を作成できるようになる「AIの可能性」にも言及した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「今いちばん勢いがあるのはSpotifyよりYouTube Musicで近い将来Apple Musicを抜き二番手になりそうだというデータは何度か紹介しているが、YouTube MusicとYouTube Premiumの契約者数が日本の人口よりちょっと多い1億2,500万人を突破した。YouTubeの音楽ビデオへの楽曲利用料がサブスクに比べかなり低いことがかつて課題だったが、YouTubeが無料と有料を組み合わせたフリーミアムモデルとして機能しつつあることは世界の音楽産業にとっても大きなプラスだ。今後、YouTubeの登場、サブスク導入に続くイノヴェーションとして生成AIを活用した「音楽ビデオのルネッサンス」が起こると同社音楽部門トップのコーエン氏は予言。私も新潮での連載を通じてそんなことを書いたが、ユニバーサルミュージックのグレンジCEOも同じ見立てでYouTubeとの提携を進めている。コーエン氏はワーナーミュージックの元CEOでもあり、Spotifyなど音楽サブスクの立ち上げ時期にもその手腕を発揮した人物であったことが移籍後もいろいろと実ってきている印象だ」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。