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AIチャットボット「Claude」開発のAnthropic、5,200億円を追加調達 評価額9.1兆円に

ビジネス 海外

AIチャットボット「Claude(クロード)」を手がける米AI新興企業Anthropic(アンソロピック)は3月4日、35億ドル(約5,180億円)のを追加調達したと発表した。同社の企業価値は615億ドルに達し、1年前から3倍以上に膨れ上がった。 

今回の資金調達ラウンドは、米国のベンチャーキャピタル(VC)Lightspeed Venture Partnersが主導。このほか、Cisco Investments、D1 Capital Partners、Fidelity Management & Research Company、General Catalyst、Jane Street、Menlo Ventures、Salesforce Venturesなどが参加した。 

Anthropicは調達した資金で、次世代AIシステムの開発を進め、国際的な展開を加速させる方針だ。 

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は関係者の話として、 Lightspeed Venture Partnersの投資額が10億ドルだと伝えている。また、Anthropicは当初、20億ドルの追加調達を目指していたという。 

同社には、アマゾン・ドット・コムやグーグルなども資金を投じている。 

ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)およびアブコ(ABKCO)ミュージック&レコーズ、コンコード・ミュージック・グループは2023年、Claudeの訓練に無断で歌詞を使用した疑いで、Anthropicを提訴。一部で合意に達したものの、係争は続いている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「AIのClaudeを運営するAnthropic社が追加調達で時価総額9兆円超え(615億ドル)。1月にも追加調達があって当時は600億ドル評価だったので、この二ヶ月ではあまり変わっていないが1年で3倍の評価に達している。ユニバーサル・ミュージックなど音楽企業と係争中で、歌詞の無断学習を裁判でAnthropic社は同月に認めたが、インターネットすべてを学習材料にしてきたのは他の大手AIも同じなので、評価額には響いていない。かつてファイル共有が聴き放題を実現し、スマホとストリーミングの普及でそれは合法の音楽サブスクに変わっていった。生成AIがどのようにして同様の道をたどるのか、私の連載(AIが音楽を変える日)で考察をしているので参考にしていただければ幸いだ」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。