米国作曲家作詞家出版者協会、徴収額・分配額が過去最高 会員数100万人突破

米国作曲家作詞家出版者協会のASCAP(アスキャップ)は2月27日、2024年の徴収額と分配額がいずれも過去最高を記録したと発表。会員数は100万人を突破した。
徴収額は前年比5.7%増の18億3,500万ドル、分配額は6.5%増の16億9,600万ドルだった。同協会は、徴収額の伸びと、米国で最も低い手数料(10%)が全体を押し上げたと説明している。
内訳を見ると、国内は演奏等の徴収額が13億9,700万ドルで5.3%増、ストリーミングオーディオ、オーディオビジュアル、一般ライセンスが伸びをけん引した。このうち、分配額は12億8,400万ドルで5.5%拡大した。
国外からは6.8%増の4億3,800万ドルを徴収。うち権利者への支払いは9.8%増の4億1,100万ドルだった。
ASCAPは現在、非営利ベースで運営されている米国で唯一の音楽著作権団体(PRO)を自称している。「作詞家、作曲家、出版社にとって、ASCAPは最高のリターン(90%の分配率)を提供しており、クリエーターを第一に考えていると言える唯一のPRO」だとした上で、「米国で活動する6つのPROの中で唯一、プライベートエクイティー(PE)に所有されていない」ことを強調した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「アメリカのJASRACにあたるASCAPが2024年度の徴収額・分配額が過去最高を記録。日本のJASRACもこのままいけば過去最高を更新しそうだ。インターネットの普及時に苦しんだ音楽著作権だが近年、契約がストリーミングや動画、SNSに対応したことで利用頻度が劇的に上がり、作詞作曲の著作権はストック(カタログの評価額)・フロー(売上)ともに黄金時代を迎えつつある」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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