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フランス録音原盤市場、2024年は7%拡大 パリ五輪も追い風に

ビジネス 海外

フランス音楽出版組合(SNEP)は3月11日、同国の2024年の録音原盤の売上高が10億3,100万ユーロ(約1,659億1,500万円)となり、前年比7%増加したと発表した。パリ五輪の影響で音楽輸出額が2桁の伸びを示したことが後押しとなった。 

デジタルは6億7,400万ユーロと9.1%増加。ストリーミングは9.5%増の6億6,400万ユーロ伸び、うちサブスクリプションは11.4%増の5億2,200万ユーロと、初めて5億ユーロを突破。広告付き(無料ストリーミング)は6%増の7,500万ユーロとなった。 

フィジカルは1億9,560万ユーロで1.3%拡大。売り上げ全体の19%近くを占めた。レコードは5.4%増の9,800万ユーロと、1987年以降で初めてCD(9,100万ユーロ、4.8%減)を上回った。ただし、販売枚数はCDが1,000万枚と、レコードよりも3分の2ほど多く、依然としてCDの方が人気がある。 

有料音楽配信契約の普及率は25.9%と、他の地中海諸国に近いものの、他の主要音楽市場からはかけ離れている。 

輸出額は19%増の1億6,200万ユーロだった。 

セールス上位20枚のアルバムのうち、18枚がフランス人ミュージシャンによるものだった。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「フランスの2024年の音楽ソフト売上は前年比7%増の10.3億ユーロ(約1700億円)に。先進国で成長鈍化するサブスク売上も11.4%増と好調で、パリ五輪で音楽輸出が2桁増したのが貢献した(19%増の1億6,200万ユーロ 全体の約16%)。同国のインフレ率は2.3%、Spotifyの値上げ幅は1.2%増だったのでそれを考えてもかなりの伸びだとわかる。国際的なイベントで輸出額を増やす好例となった。日本も今年はJ-POPブームが世界的に予測される中、日本版グラミー賞と呼ばれるMAJが立ち上がるがどうなるか。デジタルを活用した海外展開については先日出したインタビュー世界の音楽業界ではLUMINATEのデータが通貨になっているが読まれているので未読の方はぜひ」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。