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「3大メジャーの中でもソニー・ミュージックに『競争上の優位性』」 ロブ・ストリンガー会長

ビジネス 海外

ソニー・ミュージックグループ(SMG)は3月18日、ロブ・ストリンガー会長のインタビュー動画を公開。主に(音楽以外の)グローバルなソニー社員に向けて音楽業界とその中でのSMGの位置付けを紹介する目的で撮影されたものだが、世界のエンターテインメント業界におけるソニーのユニークなポジション、カタログの取得ラッシュ、AIがもたらす脅威と機会など、話題は多岐にわたる。  

ストリンガー氏はまず、世界3大メジャーレコード会社のうち、他2社が上場している独立した音楽会社であるのに対し、自社がソニーという大企業のエコシステムの一部であることは「競争上の優位性」があると主張。他の姉妹部門との相乗効果を利用して、単なる音楽会社という枠を超えた幅広いストーリーを展開しているからだと説明した。  

2015年に米国のディストリビューター「The Orchard(ジ・オーチャード)」を完全買収したことは、ソニーが業界のトレンドを先取りする戦略的大成功だったと評価。また、SMGの拡大戦略は、事業の買収や吸収に終始するのではなく、起業家との提携に重点を置いていることが特徴だとしている。 

カタログ獲得戦略は、象徴的なアーティストとの数十年にわたる既存の関係を基盤に推進。 

AIについては「今後10年間で世界中の人々に、まったく異なる新しい方法で音楽を届けるという、とてつもない能力を提供する」と述べるとともに、大手AI企業との間で合意されるライセンスの枠組みについて楽観的な見方を提示。かつてストリーミング・プラットフォームとの関係が迅速に解決したように、AIの分野でも同様の展開を望んでいると話した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ソニーミュージックは今やソニーグループでゲームに次ぐ稼ぎ頭になっているが、時代を先取りした投資が次々と実を結んだ感がある。まず著作権がSNSやストリーミングに適応する前からEMIの音楽出版部門など、カタログの買収に注力してきたのが大きな収益になっている。TuneCoreの流行でディストリビューターがメジャーレーベルを脅かすと言われだす前の今から10年前にThe Orchardを買収し、既にメジャーレーベルとディストリビューターを融合した時代を築きつつある。かつてプレイステーションを誕生させた日本のソニーミュージックからはアニプレックス、FGOなどアニメとゲームが大きく育ち、ソニー・ピクチャーズの映画・ドラマもNetflixなど動画サブスク時代の到来で資産価値を上げている。グループとしてはPS5 VRなどの拡張現実、ソニュームのようなWeb3のインフラなども併せ持ち、三大メジャーレーベルの中でもサブスクの次に来る時代の到来に最も競争力を持つ立場になっている。」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。