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音楽サブスクの市場シェア、Spotifyが安定の首位、Apple Music不調、YouTube Music好調

ビジネス 海外

英国の音楽専門コンサルティング・ファームであるMIDiA Reserchは、2024年第4四半期(10〜12月)の世界の音楽定額配信契約者数におけるDSP(デジタル音楽配信事業者)別の市場シェアを発表。Spotifyが32%で首位を維持した。 

Spotifyの市場シェアは2015年からほぼ同水準で推移。2015〜2024年に世界の音楽サブスク加入者数は850%超伸びているため、Spotifyも同様の速度で成長していることとなる。2024年の新規加入者数は2,800万人で、2〜4位のDSPの合計よりも多い。 

2位は中国のテンセント・ミュージックで、有料契約者数は1億2,000万人。市場シェアは15%と前年からわずかに伸ばした。 

Apple Music(12%)とAmazon Music(10%)はそれぞれ3位と4位をキープしたが、いずれも新規加入者数は600万人にとどまった。 

僅差で5位となったYouTube Music(10%)は、主要DSPで唯一、市場シェアを拡大。インドを含む多くの主要なグローバルサウス市場ではトップのDSPとなっている。 

世界の音楽定額配信契約者数は8億1,800万人と前年比で12%拡大。新規加入者数(純増)は8,500万人で、2023年より200万人縮小した。 

サブスク契約者の伸びは、ストリーミング収入の伸び(6%)を大きく上回ったが、グローバルサウスの台頭やインフレなどがARPU(1ユーザー当たりの平均売上高)を押し下げたことが背景にあるとしている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「世界の音楽サブスクのシェア1位Spotify(32%)、2位テンセント(15%)、3位Apple(12%)、4位Amazon(10%)、5位YouTube(10%)。Spotifyは先進国で伸び悩むも新興国で補いシェアをキープ。テンセントは着実だが中国での成長が終わると先が見えない。AppleとAmazonはシェアを落とし、主要サブスクではYouTube Musicだけが絶好調、世界全体では加入者数の伸びも減りだしている等々、これまでMusicmanでも伝えてきた通りの結果となった。課題はやはり先進国の伸び悩みと、新興国が伸びたゆえのARPUの低下。この中ではテンセントが投げ銭+カラオケや先行配信+先行チケットでVIPプランと新機軸を打ち出しているが中国限定なので、これを他のグローバルなサブスクがどのように取り入れてくるか。四年前の本でも書いたが今年、その動きがようやく見られそうな兆候が出ている

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。