SoundCloud、リスナーレポート初公開 新譜聴取が業界平均を大きく上回る

SoundCloudは3月26日、リスナー行動をまとめた年次報告書を初めて公開した。同プラットフォームで再生された楽曲のうち、新譜(過去18カ月にリリースされた楽曲)の割合は2024年に46.5%となり、業界平均(26.7%、ルミネイト調べ)を大きく上回った。
米国のエンターテインメント業界向けデータ会社Luminate(ルミネイト)によると、総聴取に占める新譜の割合は2022年に27.8%、2023年に27.3%、2024年に26.7%と縮小。2024年のカタログ・アルバム(リリースから18カ月以上が経過した作品)の聴取は前年比6.5%増と、新譜(3.2%増)の2倍のペースで拡大した。
若いリスナーの新たな音楽の発見ツールとして、TikTokやInstagramリールなどが市場を席巻する中、SoundCloudはなおもZ世代の新たなカルト的人気を生み出す重要な出発点であり続けているようだ。
ラッパーやエレクトロニック・プロデューサーの育成でよく知られているSoundCloudだが、世界的に関心が高まっているカントリーやフォークのアップロードは過去2年で50%以上の増加。これらジャンルの再生数は2024年に15%伸びた。
今年は、Vinahouse、Brazilian Plugg、Shoegazeの人気が高まると予想している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「SoundCloudが新曲プッシュの起点に。SoundCloudでの新譜(過去18カ月にリリース)の割合は2024年に全再生の46.5%、業界平均の26.7%(ルミネイト)よりかなり上に。聴き放題の普及でカタログ全盛(特に10年前ぐらいの楽曲が強い)の時代に入っており、新譜が聴かれる割合が年々減っている中、音楽をディグるZ世代に根強い人気のSoundCloudがプロモーションの起点として再注目されつつある。新曲のプロモ=TikTokのイメージが強いが、以前紹介したようにリテンション(長く何度も聴いてもらうこと)にはTikTokよりInstagramでの波及やSpotifyの人気プレイリスト入りのほうが効果がありそうなデータもあり、SNSの成熟で多面的な施策が必要な時代に入っている。他に「Vinahouse、Brazilian Plugg、Shoegazeの人気が高まる」と予想されている。日本でも同類のサービスが伸びてくるかもしれないのでそこにも注目しておきたい」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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