世界の独立系音楽出版市場、2018年比で倍増 2023年は5.7%拡大

世界各国の独立系音楽出版社を会員とする「IMPF(Independent Music Publisher’s International Forum)」は4月3日、世界の独立系音楽出版市場が2023年に25億7,000万ユーロ(約4,150億5,000万円)と、前年比5.7%拡大したと発表した。2018年からは105.6%伸びている。
音楽出版における市場シェアは26.3%と、前年(26.7%)からやや縮小したが、なおも最大手のソニー・ミュージックパブリッシング(SMP、24.9%)を上回っている。ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ(UMPG)は23.3%、ワーナー・チャペル・ミュージック(12.4%)と、3大メジャー合計では60.6%。その他(市場シェア5%を超える企業)は13.1%だった。
成長の原動力はデジタルで、アフリカを除く全地域で大幅に拡大。メキシコ(69.8%増)、スウェーデン(64.7%増)など、デジタル収入が全体の50%を超える市場もある。
カナダ/米国では初めて、デジタル収入が放送収入を上回った。デジタルのシェアは43.6%で、伸びは12.6%だった。
インドと中国の売上高はそれぞれ世界24位、26位と順調に成長。10年以内にトップ10入りする可能性がある。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「インディーズ系音楽出版の売上シェアが世界で26.3%に。最大手のソニー(SMP 24.9%)を超えた。メジャーレーベルの売上は伸びつつも売上シェアが年々下がっていることは何度かここでも伝えているが、それはつまりDIYやインディーズがもっと伸びているということ。SpotifyなどサブスクやTuneCoreなどディストリビューターが普及したことが背景にあり、合わせて音楽出版でも引き続きインディーズ系が好調なことが今回のデータで再確認された(IMPF)。ソニーに関しては、10年前にインディーズ時代の到来を見越してディストリビューターのThe Orchardを買収。メジャー+インディーズの新業態を作り上げつつある」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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