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インド、有料契約者増もデジタル収入が11%減少 2024年

ビジネス 海外

大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)のインド法人とインド商工会議所連盟(FICCI)が共同で発表したメディア・エンターテインメント業界に関する報告書によると、インドの音楽分野の市場規模(ラジオを除く)は、2024年に530億ルピー(約903億円)となり、前年比で2%近く縮小。このうちデジタル収入は11%減り、全体の62.4%を占めた。 

ラジオは9.1%増の250億ルピーとなっている。 

DSP(デジタル音楽配信事業者)による有料への移行推進により、有料契約者は前年の700万人から1,050万人(消費者全体の6%)に急増。これにより、サブスクリプション収入は2倍以上に拡大し、70億ルピーに達した。一方で、音楽ストリーミングの総ユーザー数は約1,000万人減り1億7,500万人となった。 

有料音楽配信の契約者は2027年までに2,100万人に達すると予測。「YouTubeやラジオのような無料かつ広告付きの代替サービスが利用可能であり、独占的なコンテンツが存在しないことから、有料契約者数の伸びは緩やかなものにとどまる」とみている。2024年の月当たりのARPU(1ユーザー当たりの平均売上高)は55ルピーだった。 

音楽ストリーミング消費の63%(総再生回数に占める割合)は映画関連だった。(文:坂本 泉)  

榎本編集長「3年後にインドが中国のGDPを超えるという報道があったが(Bloomberg)、先進国でサブスク景気の割ったメジャーレーベルも、グローバルサウスを牽引するインドに注目。現地レーベルとの提携などが進んでいる。現時点でのインドの音楽産業の動向だが昨年、サブスクは2倍以上に拡大で報道通り絶好調だが、全体は530億ルピー(約903億円)で前年比2%減、特にデジタル売上が11%減。何が起きているか示唆しているのが音楽ストリーミングの総ユーザー数が6.4%減(1億7,500万人)。インドはYouTube大国として知られており、おそらく音楽以外の無料動画コンテンツにリスナーが取られている。ただサブスク売上はまだ全体の13%(70億ルピー)。先進国の経緯を見るとここから大きな成長が見込める 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。