ワーナー・ミュージック、スーパーファンアプリ開発中 エド・シーランが協力

ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)が、近年注目を集めているスーパーファンアプリの開発に取り組んでいる。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が4月9日に掲載したアトランティック・レコードのエリオット・グレンジCEOへのインタビューによると、エド・シーランの協力の元、一部のユーザーがテストしている段階という。
このアプリでは、最初のフィーチャリング・アーティストとしてシーランを起用。今春に一部の従業員に最初のベータ版をテスト用で提供し、シーランによる大量のフィードバックを経て、より洗練されたバージョンのアプリが、ここ数週間で少人数のテストユーザーに配布された。
最初のベータ版は「シーランの投稿だけを集めたInstagramのフィードのようなもの」で、ユーザーはそれに「いいね!」を押したり、コメントしたりできる、「技術的にも内容的にも必要最低限のもの」だった。
他のアーティストの参加時期や今後の計画などについては、不明なままだ。
WMGのロバート・キンセルCEOは昨年2月、スーパーファンアプリを開発する計画を初めて明らかにした。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「スーパーファンアプリのWeverseはBTSを起爆剤にトップ・アプリへ躍り出たが、ワーナーミュージックもSpotifyで510億再生(誤記ではない)を超えるエド・シーランの協力を元に自社でスーパーファン・プラットフォームを立ち上げるようだ。サブスク景気の終了でメジャーレーベルは音楽ソフトの原盤権にとどまらない拡張権利(Expanded Rights)を標榜しており、それはライブの契約だったり、グッズ販売だったりするのだが(日本では360度ビジネスと言われてきた)、拡張権利のデジタルでの基軸になるのがスーパーファン・プラットフォーム。アーティストに魅力ある契約を提供する際、これが重要になってくるので内製へ進むだろうと数年前から言ってきたが、いよいよ現実になってきた」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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