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広告付きオーディオ、聴取時間が広告なし上回る 米調査

ビジネス 海外

米国人(13歳以上)の1日当たり聴取時間のうち、広告付きソースが占める割合は64%と、広告なしの有料ソース(36%)を上回る。米市場調査会社エジソン・リサーチが4月9日に公表した第1四半期(1〜3月)報告書から、こうした実態が明らかとなった。  

この調査における広告付きソースには、AM/FMラジオ、ラジオストリーム、YouTubeの広告付き音楽、SiriusXMのトークチャンネル、無料版ストリーミングのオーディオソース、ポッドキャストが含まれる。 

高年齢層になるほど広告付きオーディオに費やしている時間は長い傾向にあり、これはラジオで曲の合間に広告を聞くことに慣れているリスナーが多く、また若年層は広告の削除が比較的簡単でそれほど利用料金が高くないSpotifyやYouTubeなどのプラットフォームを利用する割合がより大きいことが背景にあるとみられる。 

広告付きオーディオが全体に占める割合は、55歳以上が75%。35〜54歳では65%に下がり、13〜34歳になると、広告付き(54%)と広告なし(46%)でほぼ同程度に差が縮まる。 

Netflixのように有料プランに広告を入れる動画ストリーミングサービスが増えている中、音声ストリーミングサービスが追随するのかが注目される。Spotifyが有料プランに広告を挿入する計画との噂も流れている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「ネットの登場でコンテンツは有料から無料の時代へ、そしてスマホとサブスクの普及で無料から有料の時代へ変わったが、今も広告付きオーディオの聴取時間が広告なしを上回っているという調査結果(米エジソン・リサーチ)。中年以上はラジオ、若年層はSpotifyの無料版とYouTubeの音楽ビデオをよく利用しているためというごく普通な理由による。だがNetflixが広告付きの廉価版プランを始めたり、Spotifyも無料版を先進国で止めて広告付き廉価版を検討しているという噂もあり今後、有料のものに広告が付く割合は増えていきそうだ。考えてみれば今世紀初頭に音楽サブスクが誕生する際、参考にされたMTVなど音楽テレビはパッケージとはいえ月額が基本で広告も付いており、地上波→有料放送+広告の流れを人類は繰り返そうとしているだけなのかもしれない」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。