Deezer、1日2万曲のAI生成音楽がアップロード

フランスの音楽ストリーミングサービスDeezerは4月16日、同プラットフォームで1日にアップロードされるコンテンツのうち、約18%に当たる2万曲超が完全にAIが生成した楽曲だと明らかにした。1月に報告した1万曲(全体の10%)の約2倍に拡大している。
同社のチーフ・イノベーション・オフィサーを務めるオーレリアン・エロー氏は「AIが生成したコンテンツはDeezerのようなストリーミング・プラットフォームに溢れ続けており、その勢いが衰える気配はない」とコメント。1月に発表したAI音楽の検出ツールが、アルゴリズムによるおすすめからAI生成コンテンツを削除するのに役立っていると述べた。
この検出ツールは、「SunoやUdioのような最も多用な生成モデル」から生成されたAI楽曲の検出が可能。アレクシス・ランタニエCEOは1月、完全なAIによって生成された楽曲を「アルゴリズムと編集によるおすすめから除外する」計画を打ち出していた。
Deezerは、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)などと共に、アーティスト中心の原則を推進。AIによって生成されたコンテンツ、ロイヤリティー収入をかすめ取るための「ノイズ」トラック、その他の低品質コンテンツの検出に関して、最も積極的なデジタルサービスプロバイダー(DSP)の1つだ。昨年には、同プラットフォームから2,600万曲の「無駄な」トラックを削除した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「音楽サブスクと生成AIの戦いは既に始まっている。アーティストになりすまして音楽売上を掠め取るストリーミング詐欺は音楽のストリーム総再生回数の1割あり今後、生成AIで悪化の可能性があると以前伝えたが、欧州の音楽サブスク大手Deezerによると、日々アップされる楽曲の18%が生成AIのものだという。Deezerは検出ツールでAI製を見分け、おすすめや編集プレイリストに載らないようにしており、昨年は2600万曲を削除した。」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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