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デジタルビデオとポッドキャスト、2024年に収益急増 広告付き音楽ストリーミングは縮小

ビジネス 海外

ネット広告業界団体IAB(Interactive Advertising Bureau)と4大会計事務所PwCは4月17日、2024年の米国のインターネット広告収入が2,586億ドル(約36兆8,485億円)となり、前年比14.9%伸びたと発表した。地政学的な変化、金利の変動、経済の不確実性はあったものの、大統領選挙や五輪といった大イベントが追い風となり、2021年以降で最高となった。 

最も拡大したフォーマットは、引き続きデジタルビデオで19.2%増加。全体の24%を占める621億ドルに達した。 

ポッドキャスト広告もまた力強い成長を取り戻しており、26.4%増と2024年の5.5%増から伸びが加速。ソーシャルメディアの拡大ペースも再び勢いを増した。 

企業ごとのシェアを見ると、「中堅」メディア企業(上位11~25社)が11%と最大。前年から3.1%伸び、新興デジタル・プラットフォームの影響力の高まりが浮き彫りとなった。 

全米レコード協会(RIAA)が3月に公表した2024年のレコード音楽売上報告書によると、広告付きオンデマンドサービス(YouTubeや広告付き版Spotify、Facebookなど)からの音楽収入は1.8%減の18億3,000万ドルだった。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「先ほどYouTube動画の形式でポッドキャストが躍進している話をしたが、ポッドキャスト系の広告はアメリカで26.4%増と急進している。日本だとポッドキャストというとニッチな印象があるが今は、トーク系の動画はYouTubeでポッドキャスト配信設定できるので、気づかないうちにポッドキャスト愛好者になっている時代だ。音楽産業としてはサブスクが低成長に入った中、ノンミュージックのオーディオ・コンテンツがずっと伸びているので、そこにいかに音楽が関わっているか環境を整えていくかという課題があるのはここ数年、私も述べてきた。記事の通りSpotifyやYouTubeなどの無料音楽に付く広告売上は減少しており、構造的な対応が必要なことはここからもおわかりいただけるかと思う」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。