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Spotify、インド音楽の再生回数が2000%の急拡大

ビジネス 海外

Spotifyは4月15日、ロイヤリティー支払いに関する年次レポート「Loud & Clear」の中から、6年前に進出したインド市場に絞ったデータを公開。インド人アーティストの世界での再生回数は2019年から2023年の間に2,000%以上伸び、2024年にインド出身アーティストがSpotifyのリスナーによって初めて発見された回数は112億回以上と前年比13%拡大した。 

2022年以降、同プラットフォームから年間500万ルピー(約835万円)以上の収入を得ているアーティスト数は2倍以上に拡大。1,000万ルピー以上は3倍超に、5,000万ルピー以上は2倍にそれぞれ増えた。2024年にインドで発生したロイヤリティーの約3分の2はインド人アーティストが生み出した。 

Spotifyインディアのデイリートップ50プレイリストに掲載された90%以上の楽曲が地元アーティストによるものだった。 

2024年にSpotifyでインド人アーティストが稼いだロイヤリティーの50%近くがインド国外のリスナーによるもので、同期間には9,000人超のインド人アーティストがSpotifyのグローバルおよびローカルの編集プレイリストに追加されていた。 

インドの言語の楽曲が多くストリーミングされていたのは、米国、英国、アラブ首長国連邦、パキスタン、カナダ、マレーシア、スリランカなど。 

ヒンディー語、パンジャブ語、タミル語、テルグ語で演奏するインド人アーティストが生み出す印税は、2021年以降それぞれ2倍以上に増加。このうち、テルグ語の音楽は2024年に最も急成長したセグメントの1つで、その世界的なロイヤリティーは前年比39%拡大した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「Spotify、インド音楽の再生回数が2000%の急拡大。先進国でのサブスク景気が終了し、インドを代表としたグローバルサウスへ音楽サブスクのフロンティアは変わっているが、そのインドは長らくYouTubeで音楽は無料で聴くものという文化が強かった。そこへ基本無料を備えるSpotifyが参入し、国内で伸びているだけでなく、インド音楽が世界展開する起点にもなっている。インド音楽が聴かれているのは記事にある通り米国、英国、アラブ首長国連邦、パキスタン、カナダ、マレーシア、スリランカなどだ。最近、EDM系でもインドのアレンジを取り込む事例が増えたのはその影響だろう。インドの音楽売上については関連記事(インド、有料契約者増もデジタル収入が11%減少 2024年)を参照されたい」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。