日比谷野音、建替え再整備により10/1から使用休止 9月にクロージングイベント開催

日比谷公園大音楽堂(通称:日比谷野音)は、2025年度に再整備工事に着手する予定のため、2025年10月1日から使用を休止。9月には「ロックの聖地」「フォークの殿堂」と言われ、数々の歴史を刻んできた「3代目野音」のクロージングとして、「野音」にゆかりのあるアーティストによるファイナルコンサートを開催する。
日比谷野音は、開設されたわずか2ヶ月後に関東大震災が発生し、娯楽施設の壊滅した市内(都内)にあって、当時の市⺠生活に健全な娯楽を与える場所として音楽会、舞踏会、野外劇、その他各種行事に利用されてきた。太平洋戦争により一時休館したものの、戦後はロック、フォークの音楽会場として盛んに利用され、現在に至っている。
最後の「3代目野音」の館内を開放し、自由に見学することができる「日比谷野音オープンデー」も実施する。詳細は後日発表を予定。
日比谷野音 100年の歴史
<初代>
- 大正 12年(1923年)7月開設
- 7月7日に新音楽堂落成式として、陸海軍軍楽隊と三越音楽隊の合同演奏。
- 9月1日の関東大震災により小音楽堂は倒壊したが大音楽堂は残り、罹災者慰安の公演が行われた。
- この時期から拳闘(ボクシング)大会も開催、音楽鑑賞以外にも多彩な娯楽の場として活用された。
- 昭和 18年(1943年)太平洋戦争により一時休館。
<二代目>
- 改築・落成年月不明(昭和 22年頃)
- 駐留米軍により昭和 21年(1946年)〜26年(1951年)の間接収。
- 接収中は「Tokyo Bowl」と呼ばれたが、その間出火し、ステージ全焼の記録あり。
- 昭和 29年(1954年)8月改修。
- 戦後もボクシングやレスリング会場としての利用が続く。また、政治集会・春闘の会場としても活用されはじめる。
- 1950年代より、ラジオやテレビの中継に利用され、ギリシア劇や薪能など、催事はますます多様になり、タンゴやシャンソンなどの軽音楽の演奏会も頻繁に行われた。
- 60年代後半にはフォークやロックのコンサートが盛んになりはじめる。政治集会も頻繁に催されているが、政治集会でフォークやロックの演奏が行われることもあった。またキャンディーズの解散宣言に象徴されるように、野音はアイドルたちのコンサート会場としてもなくてはならない場所となった。
- 1962 フランク・シナトラ 慈善音楽会
- 1969「10 円コンサート」
- 1972 唄の市開催/五つの赤い風船 解散ライブ/フライド・エッグ 解散ライブ
- 1975「サマー・ロック・カーニバル」/キャロル解散コンサート(ステージ炎上)
- 1976 矢沢永吉のソロデビュー1年後の凱旋ライブ
- 1977 キャンディーズ解散宣言が社会現象に
- 1981 RC サクセション日比谷野音での伝説のステージ
<三代目>
- 昭和 58年(1983年)8月改築・落成
- 8月13日に落成式として、警視庁と東京消防庁音楽隊の記念コンサート。
バンドブームとなった 1990年代は、野音がアマチュア、新人バンドの檜舞台となり、様々なミュージシャンが野音の舞台を踏み、多くの伝説的ライブが生まれた。 - 90年代以降、日比谷野音で育ったミュージシャンたちが、ふたたび野音で演奏する機会が増え、周年記念イベントも増加。
- 2011年3月11日の東日本大震災に際し、野音自体は被害を受けなかったものの、いくつかの催しが中止となった。以降は、震災関連の集会、各種のチャリティー・コンサートが積極的に開催された。
- 1984「日比谷野外音楽堂アトミックカフェ」(尾崎豊がステージから飛び降り骨折)
- 1986 RC サクセション(夏の野音コンサート恒例化)
- 1987「NAONのYAON」/第 1 回ブルーハーツ
- 1993 南こうせつ GREEN PARADISE
- 1998 加藤登紀子・久石譲コンサート
- 2001 葉加瀬太郎コンサート/音楽とお笑いショー WAHAHA 本舗
- 2004日比谷公園 100 周年記念事業
- 2008 AKB48 夏祭り
- 2013日比谷野音 90 周年記念事業開催
- 2016 Mr.Children HallTour 2016 虹
- 2018日比谷野音 95 周年・日比谷公園 115 周年記念「KPP CAMP」きゃりーぱみゅぱみゅ等が出演
- 2019日比谷音楽祭 第1回開催以降、恒例化
- 2020 あいみょん 弾き語り TOUR2020“風とリボン(”無観客生配信公演)
- 2021 伊藤蘭コンサート・ツアー2021 特別追加公演(キャンディーズ解散以来 44年ぶり)
- 2023日比谷野音 100 周年記念事業開催
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