スピッツ首位へ浮上、良質な曲と丁寧なプロモで洋楽でも大ヒット：シルク・ソニックとアバの長期OAが証明【エアモニ】

2021年11月17日 17:58

2021年11月17日発表のラジオ・オンエアチャート（集計期間：2021年11月8日〜2021年11月14日プランテック調べ）では、スピッツ「大好物」が1位を獲得した。

劇場版『きのう何食べた？』主題歌として書き下ろされた同曲は、映画公開およびデジタルリリースを迎えた11月3日に全国各局がいっせいにオンエアを開始し、前週4位に初登場。今週さらにオンエア数を伸ばし首位へと浮上した。チャートイン2週目にしてオンエア獲得ステーション数は増え、さらにはリクエスト数も増加していることから、楽曲が確実に波及していく様子が伺える。デジタルリリースのみながらセールスにもしっかり結びついたようだ。

2位は映秀。「脱せ」が前週3位から上昇した。11月17日リリースの今年2枚目となるアルバム「第弐楽章 -青藍-」からの同リード曲。注目の次世代アーティストということで多数局が月間パワープレイに選出するなか、オンエアは今週さらに増加した。その一方、調査対象となるAMでのオンエアが確認できなかったなど、今後、パワープレイ選出局以外にどこまで波及させられるか、リクエスト数を伸ばせるかがポイントだろう。リリース週となる次週の動向／チャートアクションに期待したい。

3位はBE:FIRST「Gifted.」が前週1位からダウンした。話題のオーディション“THE FIRST”発のダンス＆ボーカルユニットによるデビューシングルとあり、リリース週となった前週、いきなりの1位発進を飾った同曲。こちらもオンエア数の基盤は月間パワープレイ選出局によるものながら、引き続きFM/AM問わず広い範囲でのオンエアを獲得している点からは、さすがの注目度が窺える。別途調査のCS音楽チャンネルにおけるオンエアチャートでは、前週に続き今週もダントツ1位となった。

NEWアルバムが好調のシルク・ソニックとアバ、共に4曲同時チャートイン

今週のチャートでは、長らく苦戦が強いられる洋楽市場において大ヒットとなったアルバム2作品より、それぞれ4曲が同時にチャートインすることとなった。

まずは、今年3月リリースの「リーヴ・ザ・ドア・オープン」に始まり、以降も全シングルが漏れなくヒットしたブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるプロジェクト、シルク・ソニック。遂にアルバム「アン・イヴニング・ウィズ・シルク・ソニック」が11月12日にリリースを迎えた今週、最新曲「スモーキン・アウト・ザ・ウインドウ」（52位→6位）が急上昇した他、「スケート」（41位→54位）、「リーヴ・ザ・ドア・オープン」（62位→100位）、「フライ・アズ・ミー」（－位→183位）がチャートインした。

待望のアルバムリリースとあり全9曲（うち1曲はイントロ的楽曲）のうち半数がチャートインし、かつ全収録曲がいずれかのステーションでオンエアされたことも特筆すべきだろう。その注目度の高さが窺える。

また、アバが11月5日にリリースしたアルバム「ヴォヤージ」からも、今週は「ホエン・ユー・ダンスト・ウィズ・ミー」（174位→21位）、「ジャスト・ア・ノーション」（19位→24位）、「ドント・シャット・ミー・ダウン」（60位→93位）、「アイ・スティル・ハヴ・フェイス・イン・ユー」（－位→149位）がチャートインした。定期的にラジオオンエアされる数々の名曲群を生んできたレジェンドグループによる、実に40年ぶりとなるニューアルバムということで必然的に注目された結果だ。

リリースに向け、洋楽では異例となる長期オンエアを獲得してきた両作品だが、その結果がしっかりセールスに反映されたことも見逃せない。昨今の日本におけるヒット曲を見ると、（バズヒットを除いて）“良い楽曲と丁寧なプロモーション”という原点回帰傾向にあるが、洋楽でも全く同様であることが今回の2作品が証明してみせた、と言っても過言ではないだろう。「日本の音楽リスナーにも響く洋楽」を見極めた関係各位も称えたい。

RADIO ON AIR DATA

（集計期間：2021年11月8日〜2021年11月14日）

1位「大好物」スピッツ
2位「脱せ」映秀。
3位「Gifted.」BE:FIRST
4位「23」eill
5位「なんでもないよ、」マカロニえんぴつ
6位「スモーキン・アウト・ザ・ウインドウ」ブルーノ・マーズ、アンダーソン・パーク＆シルク・ソニック
7位「EVERBLUE」Omoinotake
7位「マンマミーア」マネスキン
9位「イージー・オン・ミー」アデル
10位「アルデバラン」AI