【ビルボード 2024年上半期UGC Songs】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が圧倒的トップ、Number_i「GOAT」の特徴にも注目
2024年の上半期Billboard JAPAN UGCソングチャート“Top User Generated Songs”で、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が1位に輝いた。
本チャートは「踊ってみた」動画など、YouTubeで公開されているユーザー生成コンテンツ(UGC)のみを集計したチャートだ。「Bling-Bang-Bang-Born」は、TVアニメ「マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編」のオープニング・テーマで、主人公のマッシュルが踊る「BBBBダンス」チャレンジが国内外で大きなバズとなった。1月17日公開チャート(集計期間:2024年1月8日~1月14日)で11位に初登場し、翌週に2位、翌々週から18週連続でトップに立った。著名人やプロダンサーによるダンス動画や「歌ってみた」、キャラクターに扮して撮影されたミュージック・ビデオに「あつまれ どうぶつの森」のキャラクターやトランプ前大統領の切り抜きで構成されたビデオまで、幅広い二次創作が誕生している。
続く2位は原口沙輔の「人マニア」。2023年8月にリリースされた本曲は、自身初のVOCALOID楽曲で、莉犬や花芽すみれ、月ノ美兎らによるカバー動画が人気を博している。ニコニコ動画におけるVOCALOID曲の人気を測るチャート“ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20”の上半期チャートでも2位についた。
3位のYOASOBI「アイドル」、4位のAdo「唱」は言わずと知れたUGC人気楽曲だ。前者は、TVアニメ「【推しの子】」でアイの声を担当した声優・高橋李依によるカバーが2月の公開から6月7日現在までに990万回以上の再生回数を記録。後者はユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハロウィン・イベント【ゾンビ・デ・ダンス】のテーマソングだったこともあり、そのダンスやコスプレ、ゾンビメイクなどがユーザーの興味を引いた。どちらも歌唱がハイレベルな点が、“歌ってみたい”欲を倍増させたとも考えられる。
トップ20のうち、アニメや静止画で構成されたオリジナル動画は18曲で、公式ミュージック・ビデオで本人が顔出ししているものは、Number_i「GOAT」(13位)とKing Gnu「SPECIALZ」(15位)のみ。「SPECIALZ」はTVアニメ「呪術廻戦」第2期「渋谷事変」のオープニングを飾る楽曲であることから、「呪術廻戦」に寄せた作品やアニメの二次創作が多いことに対し、「GOAT」は右腕を上げたダンスに挑戦する「踊ってみた」動画が圧倒的に多いことが他楽曲との違いだ。
比較的簡単に上手に歌える&マネして踊れることが、ユーザーが挑戦しやすい→二次創作に繋がるポイントとも言えるが、逆に難しすぎる歌唱や高速ラップ、ダンスナンバーも“やってみたい”欲を掻き立てるものだ。ユーザーの目や耳も年々肥えてきており、完成度の高い作品が続々と登場。新しい視点で生まれたUGCが盛り上がることで、さらにそのレベルを超えていこうと、映像コンテンツ自体が自然とレベルアップする相乗効果は底知れない。
Text by Mariko Ikitake
【2024年上半期Billboard JAPAN UGCソングチャートTop User Generated Songs】トップ20
1位「Bling-Bang-Bang-Born」Creepy Nuts
2位「人マニア」原口沙輔
3位「アイドル」YOASOBI
4位「唱」Ado
5位「酔いどれ知らず」Kanaria
6位「神っぽいな」ピノキオピー
7位「晩餐歌」tuki.
8位「Overdose」なとり
9位「勇者」YOASOBI
10位「KING」Kanaria
11位「ヴァンパイア」DECO*27
12位「鬼ノ宴」友成空
13位「GOAT」Number_i
14位「可愛くてごめん feat. ちゅーたん(早見沙織)」HoneyWorks
15位「SPECIALZ」King Gnu
16位「きゅうくらりん」いよわ
17位「オーバーライド」吉田夜世
18位「シャンティ(feat. KAITO)」wotaku
19位「混沌ブギ」jon-YAKITORY
20位「Beyond the way」Giga
集計期間:2023年11月27日~2024年5月26日