Apes浮上1位へ/米津、最広OAで2位死守/レトロリロン新規ファン獲得の3位/父の日は盛り上がらない?【エアモニ】
2024年6月19日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2024年6月10日~6月16日プランテック調べ)では、Apes「Mustang」が1位を獲得した。
3人組インディー・ロックバンドが6月11日にリリースしたメジャー1st EP「WANDERS」より、リード曲となる同曲。複数局で月間パワープレイに選出されているなか、オンエア総数のおよそ半数はKiss FMでの大量オンエアによるもので、調査対象局の25.8%におけるステーションでの若干局地的なオンエア獲得となった。
ただ、今週あらたにTOKYO FM、FM NACK5などの番組で紹介されるなど、オンエアの波及および増加が見られる点は特筆すべきだろう。上述のKiss FMでは毎週安定数のリクエストオンエアも確認されていたり、MVには少数ながらラジオで聴いて観に来た旨のコメントもあるため、楽曲自体のポテンシャルがうかがえる。今後さらにオンエア範囲を広げ、広く認知されることを期待したい。
2位は米津 玄師「毎日」が前週ポジションをキープした。日本コカ・コーラ「ジョージア」CMソングとして書き下ろされた同曲は、5月27日の配信リリース以降続く全国的な大量オンエアを今週も死守しており、今週最も広い範囲でオンエアされた曲となった。オンエアピークは過ぎ、その数は減少傾向にあるものの依然として高い注目度を維持している。しばらくオンエアは続きそうだ。
3位はレトロリロン「焦動」が前週10位から上昇した。東京出身4人組ポップスバンドによる6月5日リリースの同デジタルシングルは、FM NACK5、FM802での月間パワープレイに加え、今週の文化放送プラスチューンにも選出。FM802での大量オンエアを基盤としつつ、今週は54.8%のステーションでオンエアを獲得しており、前週から3割増のオンエア波及が確認されている。
また、MVコメント欄では既存ファンと思わしきものとは別途、ラジオで知ったという新規ファンによる書き込みが週毎に増えていることから、大量オンエアによる訴求効果が確実に表れていることがうかがえる。リクエストオンエアも安定数を維持しているため、楽曲自体の魅力がリスナーに広まっているのだろう。こちらもオンエア範囲を拡大することで更なる新規ファンの開拓が見込めそうだ。
父の日はなぜ盛り上がらない? オンエア楽曲から検証
6月16日に父の日を迎えた今週のチャートでは、父への感謝を歌った名曲が散見…とはならず、計3曲のチャートインにとどまった。ちなみに今年の母の日ウィークには少なくとも10曲の母の日ソングがチャートインした。父の日は盛り上がらないのだろうか?
まず、めでたくチャートインした曲は、FUNKY MONKEY BABYS「ヒーロー」(54位)、忌野 清志郎「パパの歌」(84位)、エリック・クラプトン「マイ・ファーザーズ・アイズ」(144位)で、毎年この時期にチャート圏内に入ってくる定番ソングだ。
ちなみに例年は上記にルーサー・バンドロス「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」が加わるが、今年はチャートインならずだった。しかしながら今年も多数オンエアが確認されており、他にもマドンナ「パパ・ドント・プリーチ」、浜田 省吾「I am a father」、PRINCESS PRINCESS「パパ」、サザンオールスターズ「心を込めて花束を」、AI「パパへ」、奥田 民生「息子」、DREAMS COME TRUE「晴れたらいいね」、THE YELLOW MONKEY「Father」などが、複数番組におよぶオンエアが確認された。
この他、オンエア数は少ないがシャーデー「ベイビーファーザー」、テンプテーションズ「パパ・ワズ・ア・ローリン・ストーン」、ビヨンセ「ダディ」、ホレス・シルバー「ソング・フォー・マイ・ファーザー」といった曲も複数オンエアがあり、邦楽に比べて洋楽曲が多いのも印象的だ。
父の日ソングがチャートを賑わせないのは、定番ソング的なポジションの楽曲が少なくオンエア楽曲が分散することが一因だろう。そして、「I am a father」や「息子」は“父”自身が歌った一人称視点の曲であり、「心を込めて花束を」や「晴れたらいいね」は“両親”に向けた曲と、純粋に父に捧げる曲が少ないのも要因と思われる。決して世の父親への関心が低いわけではないのだろうが、父への感謝はキャッチーな曲に仕上がらないのか…。来年以降に向け父の日ソングを求む。
RADIO ON AIR DATA
(集計期間:2024年6月10日~6月16日)
1位「Mustang」Apes
2位「毎日」米津 玄師
3位「焦動」レトロリロン
4位「How Sweet」NewJeans
5位「Song For You & Me」DENIMS
6位「フーディーニ」エミネム
7位「Toxic」TAIL
8位「初KO勝ち」椎名 林檎とのっち(Perfume)
9位「リスク」グレイシー・エイブラムス
10位「ロブスター・テレフォン」ペギー・グー
ラジオ・オンエアモニタリング(エアモニ)・ランキング
調査基準:本ランキングは調査対象局において下記条件を満たすオンエアのあった楽曲を集計。
・1曲につきワンコーラス以上、もしくは連続して60秒以上のオンエアがあること。
・BGMでないオンエアであること。