Spotifyのその先。日本のレコード産業、黄金時代の引き寄せ方「未来は音楽が連れてくる」連載第22回
Spotifyのその先。日本のレコード産業、黄金時代の引き寄せ方
「レコード産業再生の鍵は、急成長するストリーミング売上のシェアを伸ばすこと」と申し上げた。だがこれは、ダウンロード売上やパッケージ売上を喰われるがままに放置してよいということではない。ストリーミング売上に喰われないように、パッケージとダウンロードを補強できれば、堅牢な回復軌道を描けるようになる。
そのためにはまず、ストリーミング時代に合わせ、パッケージとダウンロードの役割を再定義する必要がある。
これまでレコード産業は複製権ビジネスを主たる収益源として、その他の権利ビジネスで売上を積み上げてきた。アクセス権ビジネスの時代が本格的に到来すると、複製権にまつわるビジネスは売上の積み増しを担当するようになる。
パッケージとダウンロードがストリーミングに喰われる時代は、思ったより早く終わるはずだ。パッケージとダウンロードにはイノヴェーションが待っているからだ。その後、Spotifyを代表とするストリーミング売上を踏み台にして、売上の積み増しに邁進することになるだろう。
ダウンロード売上は、デジタルアルバムの高音質ダウンロード販売に活路あり
「iTunesが欧州で、HDサウンドのダウンロード販売を、水面下でレーベルに打診しているらしい」
今年(2012年)の初夏、こんな噂が欧米のテックメディアに流れた。秘密主義のAppleは噂の絶えない会社だが、この噂がまんざら嘘でもなさそうな背景があった。欧州ではiTunesの売上速度が落ちてきたのだ。一方、欧州のデジタル売上全般は成長速度を緩めていない。つまり、Spotifyの急成長にiTunesが喰われている(第17回)。
▲Spotifyの売上の内訳。左が2010年度、右が2011年度。青がサブスクリプション売上、赤が広告売上、緑がmp3販売などその他売上。サブスクリプション売上は予定通りの伸びだが、広告とその他が課題だ
出典:paidcontent.org
実は、Spotify自身も、iTunesと同じ問題をかかえている。Spotifyも、去年(2011年3月)にmp3販売を始めたのだが奮わないのだ。
最近、Spotifyの2011年度(2011年後半から2012年前半)の売上が明らかになった。売上は前年比150%増の1億8,800万ユーロ(約185億円 2012.8.28)、コストもようやく売上の97%にギリギリ収まった。大成功と言えるが、内訳を見ると課題が見えてくる。広告売上とその他売上、つまりmp3販売が芳しくない。
Spotifyがmp3販売を始めた理由はおそらく、ビジネスモデルの積み増しによる収益体質の改善だ。
だがSpotifyのストリーミングの音質は、相当よい。プレミアム会員になると、PCなら最高320kbpsの音質で楽しむことが出来る。iTunesのダウンロード販売は256kpbs。Spotifyの有料会員になると、楽曲のダウンロード購入の必要を感じなくなるということだ。
Spotifyのmp3ダウンロード販売を、ストリーミングと差別化するにはみっつの方策が要る。
- 音質の差別化。すなわち『HDサウンドのダウンロード販売』
- 特典付きの『デジタルアルバム』のダウンロード販売促進
- デジタルアルバム購入者をさらに深掘りする、Spotifyアーティスト・アプリの『アプリ内課金』
まず1の「音質の差別化」だ。
「ダウンロードやストリーミングは音が悪い」とよくいうがそれは昔の話だ。320kbpsで音を鳴らすと、CDと遜色がない。MAX320kbpsでストリーミングするSpotifyと、音質の面で差別化するには、CD以上の音質、すなわちHDサウンド(96/192khz 24bit)まで用意する必要がある。そこまでしないと、追加でお金を出す価値を感じてもらえない。
裏を返せば、誕生以来30年経った現行CDは、今や差別化になるほどの音質でない、ということでもある。
2の、特典付きデジタルアルバムの販売だが、これは、欧米での最近のトレンドだ。
シングルのダウンロードの成長が減速する一方、ボーナストラックや、特典映像、アーティストSNSの参加権など、特典に様々な工夫を凝らしたデジタルアルバムの販売が、欧米ではここ1〜2年、好調だ。
2012年の第二四半期、アメリカのデジタルトラックの売上は前年比6%の微増だったのに対し、デジタルアルバムの売上は、前年比16%増(ニールセン)、イギリスは、前年比17.3%増だ。去年(2011年)のデジタルアルバム売上は、アメリカでは19%増、イギリスでは27%増、フランスでは23%増だった(IFPI Digital2012 p.10)。
特典のついたデジタルアルバムには、CDアルバム同様、プレミア感が出ていることが売上で証明されたといえよう。アメリカのアルバム売上は物理売上と込みでも前年比プラス3%になっている。
一方、デジタル・シングルは、YouTubeやSpotifyといった聴き放題のストリーミングの登場で、存在意義を浸食されつつある。
ストリーミングがダウンロードの全てを喰うわけではない。ストリーミングとカニバるのは、シングルのダウンロード売上だ。
デジタルアルバムのダウンロードはストリーミングに対して耐性が非常に強い。これがここ数年の世界のトレンドから読み取れる傾向だ。
つまり今後、ストリーミング売上が主流になった際、もっとも頼りになる積み増しモデルは、デジタルアルバムのダウンロード販売ということになる。ざっくりいうと、ストリーミング売上がCDシングルを代替し、ダウンロード売上がCDアルバムを代替する時代になるだろう。
特典に加え、ストリーミングでは到達不能な超高音質をデジタル・アルバムに付与すれば、堅固なレーゾンテートル(存在意義)を確立できる。
ダウンロード売上強化のために、ここで、もうひとつ畳みかけておきたい。
デジタルアルバムと、「Spotifyアプリ内課金」の組み合わせだ。
Spotifyでデジタルアルバムを購入したファンには、Spotifyアーティスト・アプリで、さらに特典を付与する道を用意できるとよい。Spotifyアーティスト・アプリ(あるいはレーベル・アプリ)をオンライン・ファンクラブとして使用できるようにするのだ。
そこでファンクラブの特別コンテンツを一部利用できるようにしておき、オンライン・ファンクラブの有料会員への加入を促進すれば、深掘りのビジネスモデルが出来上がる。
オンライン・ファンクラブ運営のために、Spotifyアーティスト・アプリに『アプリ内課金』を設けておく。すると、Spotifyのなかでワンストップで深掘りのビジネスモデルが確立される。
Spotifyのストリーミングで、アーティストのカタログを聴き込んでみる
↓
ファンになったら、特典付きの高音質デジタル・アルバムをSpotifyでダウンロード購入する
↓
Spotifyアーティスト・アプリで追加特典を楽しむ
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ライブチケットの先行予約などが気になって、Spotifyアーティスト・アプリの有料会員に登録する
このような流れがSpotifyの中で出来上がる。前節(連載第21回)で、「Spotifyと交渉する際、筆者なら金額交渉で終わらせない」と述べた。
「HD音質のデジタルアルバム販売」と「アプリ内課金」を導入することをSpotifyの日本上陸の条件に提示すれば、まず、ダウンロード売上の再定義が、Spotifyの中で確立できる。
結果、ダウンロード売 上のカニバリズムを恐れる事態は一転して、「Spotifyをフックにダウンロード売上を増やす」という積極的なリスクヘッジが可能になる。
この戦術には、もうひとつメリットがある。
iTunesの上陸時、Appleの頑なな金額・料率設定に日本側は苦労した。現在、着うたフルに代表されるモバイル売上が落ち込み、iTunesが代表するダウンロード売上が伸び始めているが、ここでSpotifyと「iTunesを超える」ダウンロードサービスを始めれば、そこはSpotifyと日本側とで金額・料率を決められる。
HDサウンドの楽曲データの提供には、リマスタリング費用や、録音費用など、制作コスト増が発生する。これを逆手にとると、Spotifyのダウンロード販売においては、柔軟な金額・料率設定を要求できる交渉余地が発生する。
音楽ファン側も、ふだんSpotifyでお手軽に音楽を聴いている分、アルバムの値段が何が何でも安くないとダメだということはありえないだろう。聴き放題のおかげで、聴き込んだ末にほんとうに気に入ったアルバムにだけ、アーティストへの感謝の気持ちを込めて購入ボタンを押す自由が、Spotifyのダウンロード購入にはあるからだ。
「HD音質のデジタルアルバム販売」と「アプリ内課金」は、Spotifyの日本上陸の条件にぜひ提示したいところだ。この条件が通れば、結果的には、世界中のアーティストとレーベルが「より深化したビジネスモデル」を獲得することになる。日本はSpotifyを通して、地球の音楽に対し大きな貢献をすることになるだろう。
Spotiyを使ったパッケージ販売の補強
上記、『ダウンロード販売の補強』で示した洞察はそのまま、パッケージ販売の補強策に転用できる。その際、必要になってくることは、高音質デジタルアルバム販売との差別化だ。
- HDサウンドを超える、次世代CD
- Spotifyアーティスト・アプリで、デジタルアルバム購入者に優る特典を付与
以上が必要になってくる。
まず1の次世代CDだが、SACDが最適だろう。
現行CDは、音楽家だった大賀典雄元会長による類い希なるプロデュースで華々しくデビューし、非常に上手く普及した。一方、SonyとPhillipsのコンビが再び開発したこのSACDは、正直ぱっとせず、企画倒れになりかけた。が、最近、SACDは密かに復活の兆しを見せている。
SACDは1bitのDSD(Direct Stream Digital)方式で、アナログに最も近い再生形式を持っている。かつ、このDSD方式は、PCでは再生できない上、PCにコピーすることも実質的に不可能。まるでアナログ・レコードのような存在だ。
万が一、クラッキングに成功したとしてもDSDデータはいったんPCM形式に変換しなければPCで聴くことは出来ない。PCM波形になった時点で、1bitのアナログ的な魅力は理論上(少なくとも気分的には)、消失する。
▲世界的にアナログレコードが好調だ。温かみのある独特の音質もそうだが、アナログレコードのコレクション価値は、中身がダウンロードやストリーミングとさしてかわらない現行CDにはなかなかだせない
出典:IFPI 2012Report
話題に出たアナログ・レコードだが、実は今、世界的に好調だ。2006年を底にして、大きく伸び始めている。理由は独特の温かみある歪みと、デジタルには出せないコレクション価値のふたつだろう。
CDも我々に、コレクションの喜びを与えてくれたが、リッピングが当たり前になったこの時代、ありがたみが暴落したことは否めない。iTunesにリッピングされた後のCDは、時々、抜け殻のように感じる。
なお、SpotifyはiTunesのライブラリをほとんど再生できる。つまりSpotifyは、ストリーミングとダウンロードを統合してプレイできる。また、Spotifyのプレイリストは、モバイルではiTunes Matchのようにダウンロードできる。
とはいえ、CDのコレクション価値がストリーミングで消滅したとまではいえない。根拠は、ストリーミング売上がCD売上を超えたスウェーデンの現状だ。
連載第16回で紹介したとおり、スウェーデンのレコード産業売上はSpotifyの急成長で、前年度比 30%という驚異的な回復をみせている。だが、興味深いことに、これまでSpotifyに喰われてきたCD売上が、前年比△2.2%程度に下げ止まってきたのだ。一方DL販売は喰われる一方だ。
物理メディアの成長率は、世界的には△10%前後だ。これとスウェーデンの△2.2%を比較すると、CDには、Spotifyが喰うことの出来ない何かがある、と示唆できる。
おそらくSpotifyで自由に聴いている内に、何十度と無く聴きたいアルバムを発見したらCDを買っているのだろう。そこまで好きになったアーティストのCDはコレクションしたくなるのだと思う。
録音物には、コレクション価値がある。このコレクション価値の最大化には、物理メディアに優るものはない、ということらしい。つまり、CDの弱点を補強すれば、パッケージ売上の底固めが実現できそうだ、ということになる。
デジタルに対する最大の強み、『コレクション価値』という観点から見たCDの弱点、
a 音質面でダウンロードデータやストリーミングデータとほぼ差がなくなってしまった点
b リッピングで「中身はダウンロードデータとあまり変わらない」と露呈して、パッケージのありがたみがなくなってしまった点
以上のふたつだろう。リッピング不可で、かつアナログに限りなく近い再生方式であるSACDは、このふたつの弱点を克服している。だから、SACDにはストリーミングのカニバリズムに対する強い耐性がある。
SACDの最大の問題点は、再生環境が普及してないことだろう。
現在、CDプレイヤーやコンポ、ラジカセ自体が家電売り場から消滅しつつある。CDの再生環境はPCに付属した光学ドライブが主流となった。だが、フロッピードライブのときのように、PCから光学ドライブが消滅しつつあり、このまま行けば光学メディアは終わってしまう。今夏、本家ソニーが光学ドライブの工場を閉鎖したことは象徴的だ。
今からならば、PCのDAコンバーターとDVD-Rを兼ねた、アンプ一体型のSACDプレイヤーを、ラジカセのように普及させた方がよいのではないか。ノートPCの、外付光学ドライブとしてもしばらく需要があるだろう。
▲PCやスマフォ経由の音楽メディアが主流となった今の時代、ミニコンポやラジカセは次世代CDプレーヤーの形としてはちょっと違うかもしれない。それなら、こんなイメージの普及機はどうだろうか。なお、耳を付けないとロボットみたいな顔になる
物理売上の下降トレンドは平均で△10%前後と紹介したが、2015年には世界全体でデジタルと物理の売上はついに逆転すると分析されている。現在、SACDはオーディオマニアのものだが、レコード産業の物理売上を確実に保護したいのなら上記のような次世代CDの普及機を考えた方がよいと思う。
2の「Spotifyアーティスト・アプリで、デジタルアルバム購入者に優る特典を付与する」という方策については、AKB48現象を体験した日本のみなさんには、説明するまでもないだろう。握手券代わりに何十枚も買っていただくことは一般化できないが、オンラインファンクラブのチケットにするぐらいなら、どのアーティストでも利用できるだろう。これも、「アプリ内課金」をSpotifyに促す、重要な動機だ。
Spotiyの定額配信を深掘りするには
残りはストリーミング売上自体の補強だ。
Spotifyにおけるストリーミング売上は、広告売上とサブスクリプション売上だ。まずサブスクリプション売上の方を見よう。
「アプリ内課金」とSpotifyアーティストアプリの組み合わせは、いってみればスカパーの基本パックに追加チャンネルをつけるようなビジネスモデルの拡張だ。サブスクリプション・ビジネスの応用にあたる。
だが応用だけでなく、ここでSpotifyの基礎自体を強化することも検討したい。定額配信自体のアップグレードだ。
連載第7回で、Dr. Dreが率いる高級ヘッドフォンメーカー、Beats by Dre社が定額配信の雄、MOGを買収した話を紹介し、こう述べた。「おそらくDreは、Spotifyとの差別化を図るために定額制配信を高音質化しようとしている」と。
近い将来、MOGだけでなく、何らかの事情でフリーミアム配信に切り替えられない定額制配信は、Spotifyより安い月額料金か、あるいはSpotifyより高音質なサービスで差別化してくるだろう。
だがこの話、別にSpotifyがやってしまってもよい。現在、Spotifyのスマフォアプリでは、移動環境を考慮してプレイリストをダウンロードできるが(プレミアム会員限定)、月額9.99ドルに、さらにプラスで9.99ドル払えば、不可逆方式のファイルがダウンロードできる定額制配信にアップグレードできるようにすればよい。そうすればレコードメーカーとアーティストが得る、サブスクリプション売上の分配は増加する。
以上で、音質にまつわる話は終わる。まとめると、現行CDと遜色ないSpotifyの音質(320kbps ogg vorbis)と差別化するには、
- 定額配信は現行CD並の音質(1410kbps)へ
- ダウンロード販売はHDサウンド(96khz/24bit)へ
- パッケージ販売は次世代CD(SACD)へ
移行する必要がある。特に現行CDだが、登場して30年が経つ。加えて光学ドライブ自体がフロッピードライブと同じ運命をたどろうとしており、光学メディアの再定義をやる余裕は数年しか残ってないだろう。
移行の際には、現行CDの導入時と同じくSACDの買換需要を起こしつつ、ハードの買換を望まない層には、HDダウンロード販売を用意して吸収する方向が望ましいだろう。
残るは広告売上の強化だが、基本的にはSpotifyラジオの伸びに掛かっている。Pandora Radioと比べるとSpotifyはどうも広告の売り方がうまくない。ナショナルクライアント、ローカルクラ イアント、共にうまく取れていない。
Spotifyを使うと、事実上、広告モデルをレコードメーカーとアーティストは入手することになる。ミュージシャンも自分の稼ぎが気になるなら今後は、広告代理店とSpotifyが上手くやってくれることを願った方がよい。
日本でSpotifyがやっていくなら自社でぜんぶやろうとせずに、日本の大手代理店としっかり手を組んで進めていくよう、日本のレコード産業はアドバイスするべきだろう。それが今後、レコードメーカーとアーティストの得る広告収入を左右してゆくことになる。
以上、Spotifyに改善を促す形で、ストリーミング売上・ダウンロード売上・パッケージ売上を補強する方策を述べた。
なかなかむずかしい課題ばかりだが、みっつのセクターをそれぞれ補強することに成功すれば、上記の図(PhazeIV)のようにストリーミング売上を土台にして、パッケージ売上とダウンロード売上を積み増していく道が拓ける。そうすれば、音楽産業の新たな黄金時代を築くことも夢ではない。
確かに日本は、ストリーミングビジネスで世界に遅れを取った。だが遅れたなら遅れたで、Spotifyを日本に入れるか入れないかで議論していてもつまらない。いっそ、遅れたことを逆利用すべきだ。
iPhone以前のアメリカはケータイ後進国だった。「日本のケータイはメールも打てるし、ネットにもつながる。着メロが選べる」と話すとアメリカ人は驚いたものだ。AppleのiPhoneは、先行したケータイ大国ニッポンのガラケーをジョブズが研究し尽くした結果、アウトプットされた答えだったという。
今からなら、いっそのことSpotifyを研究し尽くして、Spotifyに日本流の改良を促して日本に吸収し、「Spotifyのその先」を描いて行く方が日本らしいのではないだろうか。外来モノをしゃぶりつくせば新たなものが生まれるのが日本の長所だ。邦楽も、そうして生まれた。
ラジオ、ケーブルTV、Walkman、CD、ネット、ケータイ、スマートフォン…。音楽サービスは常に時代の進歩を牽引してきた。この世界で、もう一度「追いつけ追い越せ」をやってみるのはどうだろう。
この提案を結論にして、Spotifyの章を終えることにしよう。
著者プロフィール
榎本 幹朗(えのもと・みきろう)
1974年、東京都生まれ。音楽配信の専門家。作家。京都精華大学講師。上智大学英文科中退。在学中からウェブ、映像の制作活動を続ける。2000年に音楽TV局スペースシャワーネットワークの子会社に入社し制作ディレクターに。ライブやフェスの同時送信を毎週手がけ、草創期から音楽ストリーミングの専門家となった。2003年ライブ時代を予見しチケット会社ぴあに移籍後、2005年YouTubeの登場とPandoraの人工知能に衝撃を受け独立。
2012年より『未来は音楽を連れてくる』を連載・刊行している。Spotify、Pandoraをドキュメンタリーとインフォグラフィックの技法を使って詳細に描き、 日本の音楽業界に新しいビジネスモデル、アクセスモデルを提示することになった。 音楽の産業史に詳しく、ラジオの登場でアメリカのレコード産業売上が25分の1になった歴史とインターネット登場時の類似点 や、ソニーやアップルが世界の音楽産業に与えた歴史的影響 を紹介し、経済界にも反響を得た。
寄稿先はYahoo!ニュース、Wired、文藝春秋、プレジデント、NewsPicksなど。取材協力は朝日新聞、Bloomberg、週刊ダイヤモンドなど。ゲスト出演はNHK、テレビ朝日、日本テレビなど。音楽配信、音楽レーベル、オーディオメーカー、広告代理店を顧客に持つコンサルタントとしても活動している 。
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