ミュージシャンがYouTubeで稼ぐには、YouTubeを変革するのが一番だ「未来は音楽が連れてくる」連載第54回
それでもミュージシャンがYouTubeで稼ぐ方法
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▲OK Goの『Here It Goes Again』(2006)。YouTubeで音楽をプロモーションする時代の先駈となった。トリッキーな動きを、カット無しのワンカメで撮影。ユーザー作成風の映像の出すリアル感が視聴者に響き、YouTube受けを狙う音楽ビデオの典型的手法となった
それでもミュージシャンがYouTuberのように稼ぐ方法はあるのだろうか。まず『YouTubeバンド』の先駆者、OK Goが編み出してきた方法を見ていこう。
1 プライベート・レーベルで、YouTube広告料の分配率を上げる
OK Goの出世作『Here It Goes Again』(2006)。ルームランナーを所狭しと渡り歩くこの傑作ビデオは、YouTubeプロモーションの時代を切り開いた。しかし動画の広告売上は、バンドには全く入ってこなかったらしい(※1)。
「レーベル(EMI)は広告料を受け取っていたと思います。EMIはVevoと契約してましたので。だがレーベルは私たちに分配しませんでした」
OK Goがプライベートレーベルを立ち上げたのは、それも原因だったろう。じぶんのレーベルでYouTubeから広告料を受け取れば、100%じぶんたちのものだ。OK GoはEMIから独立し、CDなどのディストリビューションをEMIに委託することにした。
これで広告料を、レーベルとシェアする必要のないYouTuberと並ぶことができる。
「独立はちょっと無理」ということなら、移籍という手もある。前回冒頭に出したアデル、レディオヘッドなどが所属するベガーズ・グループなどは、ストリーミング配信の売上をアーティストと完全に折半している(※2)。
CD時代の印税率(アーティストの取り分)は、実店舗の存在を前提にしている。流通コスト、店を巡る営業スタッフの人件費など、様々だ。その前提を変えぬまま、同じ印税率をデジタル配信で踏襲するのはアンフェアではないか。
そうベガーズ・グループは考えて、デジタル印税率を50%にしたらしい。ベガーズにはアデル、レディオヘッド、ベックなどが所属している。
2 プロダクト・プレイスメントで、広告主と直接取引
YouTubeの冒頭に出るCM、みなさん最後までご覧になっているだろうか。コンマ一秒でも早くスキップしようと、画面右下で待ち構えてないだろうか。スポンサーへの印象はいかがだろう。
だが音楽ビデオでお気に入りのアーティストが、赤い『b』を冠したおしゃれヘッドフォンを使っていたらどうだろう。好印象で、ちょっと欲しくなるのが人情だ。
実は映像作品では、さまざまなスポンサーがお金を払って、映像中にさりげなく商品をプッシュしてもらうようにしている。これがプロダクト・プレイスメントだ。
映画『理由なき反抗』(1955)がヒットした時、度々髪を梳かすジェームズ・ディーンの櫛がどこブランドか知りたいと、ワーナーに問い合わせが殺到した。これが起源だとウィキペディアに書いてあるが、違うらしい。第一次大戦を描いた『つばさ』(1927)のハーシーズ・チョコレートが最初のようだ。
話を戻そう。2012年、OK Goは、自動車メーカーGMとプロダクト・プレイスメントを行った。GMのシボレー・ソニックに乗りながら288本のギター、55台のピアノを叩いていくという音楽ビデオ『Needing/Getting』( http://youtu.be/MejbOFk7H6c )は、瞬く間に1千万ビューを稼ぎだした。
GMはお金を出すだけでなく、撮影に技術協力したことで、積極的に「この面白ビデオのコラボレーターはGM」というニュースを世界中に巻くことができた。
ステルスでこっそり商品を置くのではなく、スポンサーに作品作りへ堂々と関わってもらう。このプロダクト・プレイスメントのちょっとしたイノヴェーションが、OK Goの編み出した「YouTubeでミュージシャンが稼ぐ方法」だ。
今回(2014年10月)の『I won’t let you down』( http://youtu.be/u1ZB_rGFyeU )では、コラボレーターにホンダが名乗りをあげ、電動一輪車ユニカブ・ベータが使われた。2400人の女子高生をダンサーに迎えることで、友人や親戚に口コミが起こる工夫も凝らしてあった。
YouTubeの広告アフィリエイトは、45%をGoogleが持っていく。だがプロダクト・プレイスメントは100%、自分たちの手元に残る。創意工夫も効くし、直接取引でアーティスト・サイドが一千万円単位の広告売上を建てることもできるだろう。
前回、新しいビジネスモデル、マルチ・チャンネル・ネットワーク(MCN)を紹介した。MCNがお膳立てした人気YouTuberたちの商品レビューを、視聴者は煩がるどころか楽しんでいる。OK Goの音楽ビデオもそうだ。工夫を凝らしてプロダクト・プレイスメントを行えば、ミュージシャンはいっそうYouTuberのビジネスモデルに近づける。
3 YouTubeで世界的名声を築き、ワールドツアーへ
かつて「ファイル共有で曲をばら撒いてライブで稼げばいい」という意見があった。いまでは、「動画共有で無料プロモーションして、ライブで稼げばいい」と形が変わった。
だが新人時代というものは、ライブをやってもなかなか稼げないものだ。日本のインディーズミュージシャンに至っては、チケットを自腹で買っているくらいだ。メジャーデビューしてもツアーをやれば赤字勝ちだが、初期のコアファンを培えるので、レーベルは新人にツアー協賛金を払ってサポートしてきた。
ライブで稼げるのはそれなりの規模でツアーが組めるようになってからだ。ワールドツアーまでいくと、ミュージシャンの稼ぎはライブ事業が圧倒的になってゆく。
テイラー・スウィフトは昨年(2013年)、世界で一番稼いだミュージシャンになった。
だが、音源の売上はそれほどでもない。ダウンロード売上で6位、ストリーミング売上で5位だった。すごかったのはワールドツアーの売上だ。3000万ドル(約35億円 118円/ドル)を稼ぎ、売上は〆て3970万ドル弱(約47億円)に。彼女を世界No.1に押し上げたのはライブ事業だ。
昨年、売上3位のジャスティン・ティンバーレイクはどうか。
総計3100万ドル(約37億円)で、うちCD・ダウンロード・ストリーミングのロイヤリティは500万ドル(約6億円)ほど。売上の16%しかなかった。売上の中心は、やはりライブ事業だ。
昨年、売上5位のローリング・ストーンズは2013年にアルバムを出してない。
音源の物理売上は30万枚、ダウンロード売上は150万曲(物理アルバムに直すと十数万枚)と小規模だった。だがワールドツアーで荒稼ぎし、総売上は2600万ドル(約31億円)となっている(※4)。
OK GoもYouTubeで世界的名声を築き上げ、ようやくワールドツアーが組めるところまでたどり着いた。
来年(2015年)2月からモスクワ、ペテルスブルグ、パリ、アムステルダム、ロンドン、東京、大阪、バンクーバーと世界を巡る予定だ。きっとチケット売上だけでない。コラボレーター企業がイベント協賛してくれることだろう。
大規模ツアー、こればかりはYouTuberに真似できない、売れっ子ミュージシャンの特権だ。
YouTuberにとってテレビ進出が、それに匹敵するものかもしれない。だがフリートークが苦手でなかなか難しいと放送の現場で聞いた。近い将来、コンビ、トリオのYouTuberが出てテレビ進出をこなしていくのだろう。
プライベートレーベル、プロダクト・プレイスメント、ワールドツアー。以上が先駆者OK Goの取った「それでもYouTubeでミュージシャンが稼ぐ方法」だ。
※1 http://www.nme.com/news/ok-go/62159
※2 http://musically.com/2014/04/07/beggars-group-recalibrates-50-streaming-payment-to-artists-and-attacks-youtube/
※3 http://www.billboard.com/articles/list/5930326/music-s-top-40-money-makers-2014-the-rich-list
※4 http://www.billboard.com/articles/list/5930326/music-s-top-40-money-makers-2014-the-rich-list
YouTubeはロングテールではなかった
ここまで読んで憮然とした読者もいたかもしれない。「どれも自分らに関係ないビッグ・アーティストの話ではないか」と。「すぐ使えそうな話はないのか。YouTubeでバイラルを起こして伸し上がるとか」と。
誕生以来、YouTubeは多くのミュージシャンにとって希望の光だった。YouTubeがあればセルフプロモーションできる。僅かなヒット曲が寡占する放送の世界と違い、YouTubeは多様な世界で、全ての音楽にチャンスがある、と。
この希望は、ロングテール理論を拠り所にしている。
9年前、YouTubeの誕生と同時期に始まったクリス・アンダーセンの連載は、『ロングテール「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』 という名で書籍化され、ソーシャルメディア時代の常識を創りあげた。
だがYouTubeの現実は、この常識とは異なっている。YouTubeでは、30%の動画が99%の再生数を寡占している。つまり大多数(70%)の動画は、ほとんど見られていない(1%)。3年前、YouTubeの公式ブログで公開されたデータだ。
ロングテールと逆の現象が、YouTubeに起きていたのである(※1)。
考えてみれば、不思議な話ではない。
Twitterのトレンドはテレビと相関性が高い。そこからYouTubeに流れてきても、特にロングテールは起きない。ビルボードジャパンのチャートをTweet順に並べてもそれは分かる( http://goo.gl/59Ml9R )。
加えて、YouTube自体が検索文化だ。検索キーワードは、多くの人びとの頭に残っている著名アーティストが強い。
さらにYouTubeは、関連動画に同じアーティストばかりを並べてくる。協調フィルタリングをベーシックに運用しているためだ。結果、YouTube上のイイネと再生数は、著名アーティストへ集中してゆく。過酷な淘汰が進む構造になっているのだ。
前回登場した、ベガーズ・グループのデジタル責任者、サイモン・ウィーラー(連載第53回)。彼はYouTube上の楽曲を、下記のように分類した。
(1)『ヒット曲』 〜初動でマスメディアと連動して一気に再生数を稼ぐ
(2)『名曲(エバーグリーン)』 〜時間をかけて再生数を積み上げてゆく
(3)『その他大勢の曲』 〜ほとんど再生されない
YouTubeのメディア特性は、U字グラフ(上図)のようになる(※2)。音楽コンサルタントのマーク・マリガン(ミリガンから訂正1.13)がグラフ化したものだ。
マリガン(ミリガンから訂正1.13)は警告する。「過酷な淘汰がストリーミングを蝕み、理想郷とは真逆の世界が来ようとしている。このまま行けば、中堅どころという生態は消滅するだろう」と。
反ストリーミング派だからそう言っているのではない。
CDやiTunesなどで音源の複製を売る「所有モデル」が衰退し、人びとがストリーミングを通じて音源にアクセスする権利、これを売る「アクセスモデル」の時代が来る…。
そう英国レコード産業を説得してきたオピニオン・リーダーのひとりが、音楽コンサルタントのマリガン(ミリガンから訂正1.13)だ。アクセスモデルの雄Spotifyが英国上陸して、はや6年が経とうとしている。
本来、音楽の喜びはヒット曲と名曲だけではない。有名でなくても何十度も聴いた。音楽ファンならそんな曲を持っているはずだ。
ヒット曲でも名曲でもない、じぶんだけの素晴らしい曲とどれだけ出会えるか。それは音楽人生の豊かさではないだろうか。個々人の趣味嗜好に沿って「いい曲」との出会いを演出する。パーソナライゼーションとはそうした技術だ。
だがYouTubeでは、「いい曲」は「その他大勢の曲」の中に埋没していく。ロングテールを支えるべきパーソナライゼーションがうまく機能していないのだ。
人気の寡占化は、YouTubeの外にも広がっている。
「デジタル売上はウェブと親和性が高い。デジタル売上が増加すれば、音楽の世界は多様になる」
かつてIT業界はそう予測した。いよいよ今年、世界のレコード産業は、物理売上が総売上の半分を切る。
だが到来した未来は、大方の予想に反するものだった。
現在、世界のレコード産業売上はたった1%のスーパー・アーティストが売上の77%を占める。しかも、CDよりもダウンロード、ダウンロードよりもストリーミングの方が寡占化が強くなっている(※3)。
ハーバード・ビジネス・スクールの教授、アニタ・エルヴァースの調査では、iTunesなどで1000DL以上購入された曲はわずか1.1%だった(※4)。こうした寡占化現象に対し、マリガン(ミリガンから訂正1.13)の出した処方箋はこうだ(※5)。
「これからもYouTubeをプロモーションに使いたい。そうレーベルが願うのなら、YouTubeの無料モデルは、SpotifyよりもむしろPandoraの方に寄せて行く必要がある」
筆者が二年半かけて書いてきた話も同じだ。これにはふたつの効果がある。まずYouTubeのサーヴィス設計をPandora型に寄せれば、「YouTubeのジレンマ」を和らげてくれる。
YouTubeに音楽を出さないと認知されず、消費が起こらない。だがYouTubeに載せるとそこで消費が終わってしまい、音楽を買わない理由にもなる。これがYouTubeのジレンマだと前回語った(連載第53回)。
YouTubeはフリー・オンデマンドだ。
音楽を買わなくても、好きなときに何度でも聴ける。だからジレンマが発生する。
一方、Pandoraはフリー・オンデマンドではない。同じ曲を繰り返し再生できない。Pandoraは、音楽の紹介に特化したミュージック・ディスカヴァリー・サービスだ。
この紹介サーヴィスへの特化は、もうひとつの効果へつながる。人気曲の寡占から中堅ミュージシャンを救ってくれるはたらきだ。
Pandoraでは、メジャーアーティストの曲は3割しか再生されない。Pandoraの編成部がそう比率を決めたからではない。楽曲の人気ではなく、AIのちからで個々人の仔細な趣味嗜好に合った曲を送信したら自然とそうなったのである。
通常、ITの世界でレコメンデーション・エンジンといえば、協調フィルタリングを指す。「この商品を買った人はこの商品も買っています」という、Amazonのあのセリフが、協調フィルタリングの原理だ。
協調フィルタリングは、ロングテール理論を支える要素技術となっている。GUIでジョブズやゲイツたちに影響を与えた、ゼロックス・パロアルト研究所(PARCS)が実用化した技術だ。
この技術はお手軽に導入できて便利なのだが、放っておくと「みんなが好きなモノはあなたも好きでしょう」という方向に、簡単に行ってしまうところがある。YouTubeで人気曲の寡占が進んだ原因のひとつだ。
一方、Pandoraのおすすめ機能は、この協調フィルタリングに頼っていない。専門用語で言うと、コンテンツベースのエンジンを採用している。100人のミュージシャンがコンテンツ解析に従事しており、たいへんな手間がかかっている。結果、同業者のミュージシャンが発見した「いい曲」が、ぴったり趣味の合うリスナーへ届けることができる、多様な音楽世界が実現した。
▲ミュージックグラフ。2002年に発明された概念だ(連載第49回 p.2)。レコメンデーション・エンジンが弱いYouTubeは、このサイクルが機能せず、ロングテールとは真逆のメディアになってしまった
音楽配信で進む人気曲の寡占に対し、Spotifyも対策に余念がない。Pandoraに次ぐ精度を誇る楽曲レコメンデーション・エンジン、Echo Nestを年初(2014年)に買収。Spotifyの音楽キュレーターが創るプレイリスト特集も、今年ずいぶん充実した。
Appleも昨年、PandoraクローンのiTunes Radioを開始。さらに今年、音楽キュレーションに優れたBeats Musicを買収し、来年(2015年)、iTunesに統合しようとしている。
Googleもこの動きに応じて、音楽キュレーションのSongzaを3900万ドル(約46億円)で買収した。昨年、定額制配信のGoogle Play Music All Accessを開始した際には、楽曲レコメンデーション・エンジンをInstant Mixという名で採用した。
音楽配信の巨人たちが一様にパーソナライゼーションとキュレーションに走るのは、ライバル間競争だけが理由ではない。売上だ。
ロングテールを駆使すれば「その他大勢」の商材も、人気商材並に稼げる。Amazonが実証したこのモデルは、ほんらい音楽配信もできるはずだった。
最新の人気曲の売上。過去の名曲の売上。そして一人ひとりの趣味にあった「いい曲」の売上。みっつが活性化すれば、売上は時の人に頼るより多くなる。だからキュレーションとパーソナライゼーションに投資するのだ。
翻れば日本にも、同種の動きが興りつつある。音楽キュレーションメディアならSpin Coaster。楽曲レコメンデーションエンジンならソケッツ社のものが質が高い。ソケッツのエンジンは、Pandoraと同じくミュージシャンが音楽を解析してできている。
ともに利用者数はイノベーター層(2.5%)に留まっているが、国内レーベルの協力を得て、自由に音楽を紹介できるようになれば、時流に乗って成長してゆくだろう。CDと音楽配信の両方を失った日本の中堅ミュージシャンに、新たな希望を与えることになる。
Pandoraは、楽曲レコメンデーションの精度を磨き上げることで、音楽放送のロングテール化を実現した(連載第26回)。Pandoraからの広告収入が年間590万円(5万ドル)を超える中堅ミュージシャンが、アメリカだけで800人以上いる(※メジャーレーベル、メジャーアーティストがPandora批難する理由は別途説明する)。
「Pandoraは音楽の民主主義を史上はじめて実現した。そしてミュージシャンの中産階級を生んだんだ」と創業者のティム・ウェスターグレンは誇る。
YouTubeの理想もそうだった。
「YouTubeで映像メディアの民主化を進める」と初代CEOのハーレイは、Googleの買収に際しラリー・ペイジへ熱く語った(連載第51回)。
それから10年近くが過ぎた。
YouTubeの現実は、少なくとも中堅以下のミュージシャンにとって、民主的なロングテールから程遠いものとなった。それでもYouTubeから駆け上がりたいのなら、「YouTubeはロングテール」という幻想を捨ててかかった方が、道筋も見えてくる。
※1 http://www.telegraph.co.uk/technology/news/8464418/Almost-all-YouTube-views-come-from-just-30-of-films.html
http://youtube-global.blogspot.jp/2011/04/mmm-mmm-good-youtube-videos-now-served.html
※2 http://musicindustryblog.wordpress.com/2014/09/22/the-three-things-streaming-needs-to-fix-next/
※3 http://musicindustryblog.wordpress.com/2014/03/04/the-death-of-the-long-tail/
※4 http://www.hypebot.com/hypebot/2013/10/989-of-all-tracks-sell-less-than-1000-copies-and-other-music-industry-fun-facts.html
※5 http://musicindustryblog.wordpress.com/2014/12/12/why-it-is-time-to-make-youtube-look-less-like-spotify-and-more-like-pandora/
世界中からカヴァー動画が投稿され、No.1に
▲世界中のひとが創った『Happy』のカヴァー動画を観て、涙ぐむファレル・ウィリアムス
「YouTuberと音楽ビデオの決定的な違い。それは毎日更新」と前回、書いた。
YouTuberが年数百本投稿できるのに対し、アルバムからシングルカットした音楽ビデオは年2〜3本が限界。ここで二桁引き離されると(連載第53回)。だが投稿数で、YouTuberに勝ってしまったアーティストも出てきている。
「本当にオンエアしてもらえなかったんだ。全然だよ?」
『Happy』を世に送り出した頃を、ファレル・ウィリアムスは対談番組で語った。昨年(2013年)の夏、同曲はアニメ映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』の劇中曲として公開されたが、音楽メディアは無視した。
「だけど忘れもしない。11月21日にビデオをネットに載せたら、ブームが始まった。もうドカーーーンて感じで」
シングルカットのタイミングに合わせて開設した『Happy』の特設サイトは、なかなか凝っていた。テーマは「24時間続く世界初の音楽ビデオ」。
ロスの街を舞台に、24時間ぶっ通しでカメラを回し、曲がリピートされるごとに、住人が入れ替わりハッピーに踊る。ファレルも1時間毎に登場し、ときおり有名人も出てくる、という動画だった( http://24hoursofhappy.com )。
この動画に触発されて、『Happy』に合わせ楽しそうに踊る人びとの姿が、世界中の街からYouTubeへ、何百本も投稿されるようになった。
「僕らは『いったい何が起こっているんだ!?』って感じだった」
年が明けてフランスの写真家とウェブデザイナーが、世界のどの都市から『Happy』のカヴァー動画が投稿されたか、見える化したマッシュアップ・サイト( http://www.wearehappyfrom.com )を立ち上げると、ブームはさらに拡散。『Happy』のカヴァー動画は千本を超えた。
「もう自分の曲じゃなくなったと思った」
カヴァー動画のちからで、ファレルの曲はみんなの曲に変わった。音楽メディアはバイラルに気づき、ファレルの曲はリリース4ヶ月目にして、オンエアNo.1に。公式動画の再生数は5億を超え、セールスも「リリースから6ヶ月で最も売れた曲」の記録を樹立。Spotifyでも今年、最も再生された世界No.1の曲(2.8億再生)となった。
対談番組を司会するオプラ・ウィンフリーは、ここで世界中から集まった『Happy』のダイジェストをスタジオモニターに出した。
スロヴァキアの屋上、ポルトガルの広場、台湾のプールサイド、イタリアのベネチア・ビーチ、フィリピンの路地裏、デトロイトの幼稚園、アイルランドのレストラン、ロンドン橋、ダカールのバス亭、ドイツの高校、アイスランドの公園、マラウィの消防署、そしてワシントンDCの玄関前…
この番組のためにオプラが用意した特別編集だった。音楽ビデオが終わり、カメラを戻すと、そこに目頭を抑えるファレルの姿があった。
「なんで俺、泣いてるのかな…」そうつぶやくファレルに、
「たぶん、自分よりずっと大きな何かのために使ってもらったからよ」とオプラは応じた。
ファレルは息を吸って気持ちを落ち着け、説明を試みた。
「感動したよ…。この仕事を誇りに思う。みんながずっと僕を信じて付いてきてくれたから、ここに辿り着いたんだ。こんな気持ちになれる場所に。ありがとうって気持ちで一杯だ」
その他大勢の曲として埋もれかけていた『Happy』を救ったのは、YouTubeに世界中の人が投稿したカヴァー動画だった。
ビルボード・ジャパンの年間シングル・チャート( http://goo.gl/EGn0TX )を、YouTubeの再生順( http://goo.gl/BpF4MA )で比べてみると、今年の曲は「いい曲」から「名曲(エバーグリーン)」へ移動したケースが目立つ。
年間6位のファレル・ウィリアムス『Happy』は、YouTubeの再生数では世界1位。
7位の松たか子『レット・イット・ゴー〜ありのままで〜』は、邦楽アーティストではYouTubeの再生数1位。
12位のAKB48「恋するフォーチュンクッキー」は、YouTubeの再生数だと邦楽2位。
23位のSEKAI NO OWARI『RPG』は、YouTubeの再生数だと邦楽で3位だ。
Happy、アナ雪、フォーチュンクッキーは、どれもカヴァー動画がYouTubeで量産された。それにHappy、フォーチュンクッキー、RPGは去年の曲だ。
ジワ売れ型の動画は、ふだんYouTubeの検索システムに無視され勝ちだ。しかしひとたび再生数が貯まって閾値を超えると、関連動画やおすすめ欄で表示されやすくなる。
いい曲も閾値を超えれば、名曲(エバーグリーン)に生まれ変わることができる。 猫の尻尾のようにすうっと再生数が伸びてくる。YouTubeはロングテールというより、キャッツテールのようだ。『Happy』はYouTubeのこのメディア特性を活かしていた。
自信の曲ができたけどメディアに注目されない。そんなとき、YouTubeのキャッツテールを活かすのもいいだろう。その他大勢に埋没するいい曲から脱して、名曲(エバーグリーン)へクラスチェンジできるかもしれない。
ミュージシャンがYouTuberと並ぶには、二次創作の奨励が鍵
▲『Happy』のカヴァー動画は世界中から1900本以上集まった。再生数No.1(約1000万再生)はオーストラリアから、意表を突いてペットをキャスティングした作品。大勢の犬の中で、猫をテンポの引き締めにうまく使っている。
ミュージシャンがYouTuberに、投稿本数でも並ぶ方法。それはカヴァー動画の促進だとファレルの『Happy』は実証してくれた。
まず『Happy』は、公式ビデオだけで30本近くあった。映画アニメ版が1本、24時間版が一時間につき一本ずつの24本、そのダイジェスト版が1本に、歌詞付きが1本だ。
さらに、世界中のユーザーが『Happy』の24時間ビデオに触発されて、カヴァー動画を投稿してくれた。
トータルの再生数はVevoの公式ダイジェスト版が5億回以上、その他の公式版が合わせて2億回以上。
カヴァー動画は900万超えが1本、400万超えが2本、200万超えが6本、100万超えが15本、10万超えが193本あった。100万超のカヴァー動画を足すと、約6500万再生(※1)。公式には及ばない[2014.12.26 5500万を6500万に修正]。
だがYouTubeのメディア特性は、再生数と口コミ数の二項で成り立っている。再生回数はプロのコンテンツが稼ぎやすい。一方で、バイラルはユーザー作成動画の方が獲得しやすい(連載第51回)。
再生数はロングテールでないが、コメントはロングテールなのがYouTubeだ。
しかも『Happy』のカヴァー動画は一本に何人もが登場する構成が多い。1900本のカヴァー動画は再生数は億でなくとも、強力なバイラル効果を発揮した。
カヴァー動画は、歴史的に新しいものではない。YouTubeの誕生した2005年に、既に盛り上がっていた。だが翌2006年、米レコ協(RIAA)の削除申請でいちど消滅した(※2)。
「RIAAは音楽で踊っちゃいけないというの?」
音楽ファンたちは轟々たる批難を浴びせた。実はその背後で、音楽を二次利用できる仕組みづくりに向け、RIAAを構成する米メジャーレーベルはYouTubeと交渉を進めていた。コンテンツIDである。
コンテンツID以降、包括契約に基づき、「踊ってみた」をYouTubeに投稿しても基本、合法となった。だがその前にあった削除要請の一斉メールで「踊ってみたは著作権違反」という印象が世に残り、ブームは回復しなかった。
かわりにブームを起こしたのが「歌ってみた」だ。ASCAPやBMI(日本のJASRACやイーライセンスに相当)もYouTubeと包括契約を結び、「歌ってみた」も基本、合法になっていた。
「歌ってみた」もRIAAと同様のプロセスを辿ったのだが、世の不思議で、こちらの方は「ASCAPくたばれ」という騒ぎにならなかった。それで「歌ってみた」の文化は、YouTubeで順調に育つことになった。
2008年、「歌ってみた」で世界の頂点に登った少年が登場した。クリス・ブラウンの『With You』を歌う13歳の息子を、母親が撮影してYouTubeに投稿。同曲を検索してきた人びとの間で評判を呼び、公式ビデオを超える4000万再生を記録した。
これを機にメジャー・デビューしたジャスティン・ビーバーは、ソーシャルメディア時代のスーパーアイドルとなった。 現在、世界で二番目にTwitterのフォロワー数(5700万人)を持っている。
「歌ってみた」は、YouTubeの検索エンジン対策(SEO)になっていった。
「歌ってみた」を使えば、無名の歌手は自分を売ることができた。有名曲を検索してやってくる何百万の人びとの目に、関連動画のスペースで自身を露出できるからだ。
オリジナルを創っているアーティスト側から見ても、みんなが「歌ってみた」で曲を広めてくれることありがたい。だが、「歌ってみた」はよほど歌に自信がなければなかなか投稿しにくい。「歌ってみた」は本数が稼げないという欠点があった。
ファレルの『Happy』が起こした「踊ってみた」の世界的ブームは、この「歌ってみた」の欠点を克服した広がりを見せた。その数、リリースから1年1ヶ月過ぎた現時点(2014年12月15日)で1,900本を超えている。
なによりもの貢献は「踊ってみたを投稿してもいいんだ」とみんなに知らしめてくれたことだ。プロモーションの下地ができて、カヴァー動画を活用したマーケティングが随分やりやすくなったはずだ。
YouTuberの毎日更新に並ぶ投稿本数を、ミュージシャンは手に入れようとしている。
※1 2014年12月15日時点の数字。筆者が数えた。
※2 https://www.techdirt.com/articles/20060614/1837225.shtml
結論。ミュージシャンがYouTubeで稼ぐには、YouTubeを変革するしかない
それでファレルは『Happy』でYouTuberのように稼げたのだろうか。
7億6000万再生に、YouTubeの広告料0.2円(0.175セント)をかけると約1億6000万円。これはレーベルに入るお金だ。
ファレルの印税率は高いはずだ。本業が売れっ子プロデューサーの彼は、作詞作曲に加え、歌唱、プロデュースなどすべてじぶんでやっているからだ。20%と仮定すると、ファレルの取り分は3100万円ぐらいになる。
このYouTubeの支払いは多いのか、少ないのか。まずiTunesと比べてみよう。
Billboardでは、YouTubeの1500再生をアルバム1枚分、iTunesで10曲のダウンロードをアルバム1枚分の売上とカウントする。ここからYouTubeの150再生を、iTunesの1曲分と仮定しよう(※1)。
するとYouTubeの7億6000万再生は、iTunesでの507万ダウンロードに相当する。iTunesなら、レーベルの売上は約6億2400万円(約530万ドル)、ファレルの取り分は約1億2500万円あったことになる。
YouTubeとSpotifyを比べた場合はどうか。
YouTubeで音楽を聴いているリスナーの数は月間10億人(※1)。Spotifyの会員数は4000万人で、YouTubeの4%にすぎない。
だがSpotifyの払う楽曲使用料は、YouTubeの1.75倍にもなる。『Happy』のSpotifyでの再生数は2億8000万回。これに1円(0.84セント)をかけると2億8000万円。ファレルの取り分は5600万円だ。
なぜそんな逆転現象が起こるか。Spotifyには有料会員がいるからだ。
Spotifyも広告売上があるが、総売上の15%に過ぎない。これも含めて試算すると『Happy』のケースでは、ミュージシャンにとってSpotifyの有料会員料1000万人分が、YouTubeの広告料15億人分に匹敵した。
それでもお金を払って音楽を聴きたくない。だからミュージシャンには、YouTubeの広告料で暮らしてもらいたい。ひとびとがそう願うなら、YouTubeとスマートフォンにテレビを超えてもらうしか無い。
世界のテレビの広告売上は、YouTubeの36倍ある(連載第53回)。『Happy』に払われた広告料1億6000万円を36倍すると、58億円だ。
アメリカではYouTubeユーザーの24%がVevoの音楽ビデオを観ている(※2)。昨年、世界のテレビ広告売上は24兆円(2041億ドル)。この24%は5兆7800円で、世界のレコード産業売上の3倍以上ある(※3)。夢が広がる。
だが残念ながら、いまのYouTubeがテレビを超えることは難しい。先進国ではYouTubeがすでに普及。日本で視聴者数が36倍になることはない。
致命的な課題は他にもある。広告売上は「視聴者数 X 視聴時間」で決まるが、YouTubeは視聴時間の方も伸び悩んでいる(※2)。
テレビ大国アメリカを例に取ろう。
「若者のテレビ離れ」はアメリカでも進んでいるが、YouTubeがかわりに伸びているわけでもない。テレビの平均視聴時間は、アメリカの17歳〜24歳で150分/日(※4)。
対してYouTubeの平均視聴時間は、ここ2年、10〜17分/日前後のレンジで動いている(※5)。世界的にも2012年、14分/日に届いてから頭打ちだ。
「YouTubeは答えではなく、答えを出す途中のサービス」とかつて述べたが、YouTubeがテレビと並ぶには、さらなるイノヴェーションがいくつも要るのだ。それについては書籍の中で説明する予定だ。
音楽のソーシャルメディアマーケティングは、ほとんどYouTubeへの動員を経過する。それぞれの現場がCDを買うコアファンをつくる過程で、合成の誤謬が起こり、業界全体ではフリーライダー層を増やしてしまう(連載第53回)。かといって広告料は「道端で小銭を拾うようなもの」だ。
その指南は、交通渋滞の酷い首都圏で「こっちの抜け道を使えば早いんだよ」と助手席の友人に自慢する、我々都民のような悲哀が漂ってしまう。
いっそ交通インフラをいじってしまうのはどうか。
枠組みのなかで工夫する毎日からいったん頭を離そう。YouTubeが誕生してもうすぐ10年だ。ミュージシャンがYouTubeで稼ぐには、YouTubeを変革するしかない。枠組み自体を革新すべき刻が来たのである。
それがYouTubeの有料音楽サービス、You Tube Music Keyだ。
※1 http://www.wsj.com/articles/billboard-200-chart-to-include-on-demand-streaming-in-rankings-1416442616
※2 http://www.comscore.com/Insights/Press-Releases/2014/4/comScore-Releases-March-2014-US-Online-Video-Rankings
※3 http://www.plunkettresearch.com/advertising-branding-market-research/industry-statistics
※4 http://www.nielsen.com/content/dam/corporate/us/en/reports-downloads/2014%20Reports/total-audience-report-december-2014.pdf
※5 Comscore U.S. Online Video Rankings., 2012 Jan. – 2013 Mar.
YouTube Music KeyでSpotifyのフリーミアムモデルを導入。だが加入したい人は7%
▲YouTube Music Keyのティーザー動画。世界のデジタル売上は、Music Keyの成否が命運を握っているといっても過言ではない状況にある
2014年11月20日。長らく噂となっていたYou Tube Music Keyが鳴り物入りで始まった。
月額9.99ドル(1180円)を払えば、アルバム曲が聴き放題。広告からも解放される上、スマートフォンでバックグラウンド再生が可能になる。スマホでTwitterやFacebookをチェックしながら、音楽三昧だ。
Music Keyの機能は、Googleが先行して始めていた定額制配信Music All Accessを土台としている。無料のYouTubeと定額制配信の融合。すなわちSpotifyと同じフリーミアムモデルだ。
Spotifyのフリーミアムモデルは、欧州レコード産業が、ファイル共有の病を癒やすために認可して始まったものだ。2012年から北欧、英国を中心に、このモデルは効果を発揮しはじめた、と2年前に書いた。
動画共有がもたらす無料化の圧力に対しても、ファイル共有に効果のあったフリーミアムモデルで立ち向えばいい。同時期に米メジャーレーベルがそう考えて、Googleと交渉を進め始めたのは自然な流れであった。
ミュージシャンにとってSpotifyの有料会員料1000万人分は、YouTubeの広告料15億人分に匹敵する。逆をやればいい。フリーミアムモデルで、10億人いるYouTubeの無料リスナーを、Spotifyのように有料会員へコンヴァートしていったらどうか。
Spotifyのように4人にひとりが有料会員になってくれるなら、YouTubeに2億5000万人の有料会員が誕生することになる。『Happy』の楽曲使用料でいうなら、広告料1億6000万円にサブスクリプション料が加わり、YouTubeからの支払いは7億5000万円に跳ね上がる。
無料のYouTubeが事実上、世界No.1の音楽配信となっているのが現在だ。Spotifyと同じようにYouTubeに、無料から有料へのゲートウェイができて機能してくれれば、世界のレコード産業は、歴史的な底打ちを迎えることができる。
「YouTubeでお金を払ってくれるようになれば、一番わかりやすい…。レーベルにとっても。ユーザーにとっても」
とある音楽サービスのパーティで、レーベルのデジタル責任者は、そう吐露した。ソファで隣に座っていた筆者はうなづいた。同じことを方々の舞台裏で、自分も話して来たからである。ただ、付け加えることが多かった。
「そうなってほしいのですが、YouTubeで有料を機能させるのは相当たいへんです」と。
2ヶ月前。Music Keyスタートに先立ち、コンサルティング会社MIDiAは英国で1000人にアンケートを取った(※1)。先の音楽コンサルタント、マリガン(ミリガンから訂正1.13)が所属するファームだ。
「Music Keyが始まったら、あなたは有料会員になりたいですか?」
この質問に対し、Yesと答えたYouTube利用者はわずか7%だった。やはり25%のSpotifyに遠く及ばない…。不人気の理由を検証していくと、世界はGoogleにさらなるイノヴェーションを求めていることが見えてくる(続く)。
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>>次の記事 【連載第55回 iTunesでアルバム崩壊、YouTubeでシングル無料化。次に来るプレイリストの時代は稼げるか】
著者プロフィール
榎本 幹朗(えのもと・みきろう)
1974年、東京都生まれ。音楽配信の専門家。作家。京都精華大学講師。上智大学英文科中退。在学中からウェブ、映像の制作活動を続ける。2000年に音楽TV局スペースシャワーネットワークの子会社に入社し制作ディレクターに。ライブやフェスの同時送信を毎週手がけ、草創期から音楽ストリーミングの専門家となった。2003年ライブ時代を予見しチケット会社ぴあに移籍後、2005年YouTubeの登場とPandoraの人工知能に衝撃を受け独立。
2012年より『未来は音楽を連れてくる』を連載・刊行している。Spotify、Pandoraをドキュメンタリーとインフォグラフィックの技法を使って詳細に描き、 日本の音楽業界に新しいビジネスモデル、アクセスモデルを提示することになった。 音楽の産業史に詳しく、ラジオの登場でアメリカのレコード産業売上が25分の1になった歴史とインターネット登場時の類似点 や、ソニーやアップルが世界の音楽産業に与えた歴史的影響 を紹介し、経済界にも反響を得た。
寄稿先はYahoo!ニュース、Wired、文藝春秋、プレジデント、NewsPicksなど。取材協力は朝日新聞、Bloomberg、週刊ダイヤモンドなど。ゲスト出演はNHK、テレビ朝日、日本テレビなど。音楽配信、音楽レーベル、オーディオメーカー、広告代理店を顧客に持つコンサルタントとしても活動している 。
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Twitter:http://twitter.com/miky_e
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