“サイバー・マンデー”でグーグル、アマゾンの値下げ競争が激化
【グーグル・ミュージック、アマゾン、iTunesストアーのデジタル販売戦争】
「サイバー・マンデー」と呼ばれる感謝祭明けの月曜日(11月28日)。アメリカでは恒例の年末ネット通販商戦の開始日だそうだ。
日本経済新聞によると家電量販店のベスト・バイはオンライン上でサムスンの55インチTVを通常の1500ドル(1$77円換算で約11万6千円)を999ドル99セント(約7万7千円)で販売。高級ブランド品販売のギルト・グループは240グラム入りのキャビア1200ドル(約9万2千円)を70%引きの359ドル(約2万8千円)で販売したという。
業界誌ビルボードが伝えている。
音楽のデジタル販売を開始したグーグル・ミュージックが月曜日、主要なCD13作品をデジタルで、1ドル99セント(約153円)で販売を始めた。リアーナの「トーク・ザット・トーク」、ジャスティン・ビーバーの「アンダー・ザ・ミスルトウ」、コールドプレイの「マイロ・ザイロト」、メアリー・J・ブライジの「マイ・ライフⅡ」や先週ビルボード・アルバム・チャートの1位だったドレイクの「テイク・ケア」が目玉商品だ。普通デジタルは9ドル99セント(約770円)から10ドル99セント(約850円)で売られる商品。
これに対してアマゾンは即座に、13作品すべてを1ドル99セントで販売を始めた。火曜日(29日)の朝グーグルは普通の値段に戻したが、アマゾンは火曜日の午後現在1ドル99セントのままだ。
グーグル・ミュージックの安売りにiTunesストアーは全く動ぜず、通常の価格で販売をしている。
音楽業界関係者は、「サイバー・マンデーを利用して、後発のグーグル・ミュージックがデジタル販売サービスを開始しましたよと騒いだだけ。アマゾンはグーグル・ミュージックの安売りにはいつでも対抗出来ますよ、いつでもつぶしてやりますよという事」とコメントした。
ところで先週音楽業界誌ビルボードは、アルバムのデジタル販売で、3ドル49セント以下の価格設定はチャートにカウントしないと発表した。
レコード会社にとっては、グーグルやアマゾンがどんなに安売りしようが卸す価格は変わらないので売り上げは変わらない。しかしチャートには反映されない事にはなる。ロック系のアーティストのアルバムは、デジタル販売が既に50%を超えている。レコード会社は大物アーティストからのプレッシャーを受けるかもしれない。
日本と異なり、安売りを認めない再販売価格維持という制度が無いアメリカでは、小売業者が全て販売価格を設定する。家電量販店等のCD取り扱いでアメリカのレコード専門店は壊滅した。
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