「Google Music」売上が予想を下回る
昨年(2011年)11月にスタートした検索最大手グーグルの音楽配信サービス「グーグル・ミュージック」が会員数や売り上げで予想を下回っていると報じたIT関連のニュース・サイト「CNET」について、音楽業界誌のビルボードやヒッツがコメントしている。
「グーグル・ミュージック」はiTunesのように音楽をダウンロードして聴くことは勿論、クラウド・コンピュータ・サーバーに置かれた「デジタル・ロッカー」に好きな曲(最大2万曲まで)をしまっておいて、いつでも好きなときに自分の様々な端末でストリーミングで聴く事が出来るというもの。
OSアンドロイド搭載端末のスマートフォンでこのサービスが受けられるという事で、レコード各社は大きな期待を寄せていた。アメリカの市場調査会社 Canalysによると、グーグルのOSであるアンドロイドを搭載した携帯端末は、昨年(2011年)の全世界でのシェアは48.8%で、アップルのOSの19.1%を遙かに上回った。アメリカだけで2億台が出荷されていて、仮に10%がグーグル・ミュージックに加入したら2000万人ということになる。レコード会社は70%を占めるデジタル・ダウンロード・マーケットの巨人アップルiTunesのライバルの出現を歓迎していたのだが。
CNETは「グーグル・ミュージック」がスタートしてまだ3ヶ月で、グーグルはこのサービスに全力を投球していない。しかし予想を下回っているのでレコード各社に報告をしたと報じている。レコード大手4社のうちワーナーミュージックはまだ契約をしていないが。
業界誌ヒッツは、「まだサービスが始まったばかりの段階だが、iTunesにとってグーグル・ミュージックは厄介なハエにもなっていない」とコメント。ビルボード誌は、「グーグル・ミュージックが開花したいと思ったら、iTunes/iPhone/iPodのように、ハード面でもソフト面でも、もっと良いエコシステムを作る必要がある」とコメントした。
CNETはまた、マイクロソフトがゲーム機Xboxを使って音楽配信サービスを開始するためにレコード大手と話し合いを始めたとも報じた。
日本の音楽配信サービスは、日本レコード協会が今月(2月)発表した昨年(2011年)1年間での累計数字(金額ベース)は全体で対前年比が84%、内訳はパソコン等によるダウンロードが対前年で124%と増加し、携帯端末によるダウンロードは78%と激減した。しかしこの数字もスマートフォンの普及でまた大きく変化するのだろう。
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