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米国で最も売れた英出身アーティスト発表

コラム 高橋裕二の洋楽天国

月曜日(3月19日)、イギリス・レコード協会が、イギリス出身アーティストの2011年のアメリカでの売り上げデータを発表した。それによると(レコード実売調査会社サウンドスキャンのデータを使用している)アメリカで売れたアルバムでイギリス出身アーティストは全体の11.7%を占めた。前年(2010年)が9.8%だったので大幅に伸びた。

業界誌ビルボードはこの傾向を第3次ブリティッシュ・インヴェイジョンと位置づけた。60年代半ばのビートルズ、ローリング・ストーンズやザ・フー等の、イギリス・ポピュラー音楽のアメリカ侵略が第1次ブリティッシュ・インヴェイジョン、80年代半ばのデュラン・デュラン、カルチャー・クラブやヒューマン・リーグ等が第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン。第1次がロック、第2次がMTVと連動した視覚的ポップ。今回の第3次はジャンルが様々でくくりようがない。

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2011年、アメリカで最も売れたイギリス出身アーティストのアルバム・ベスト10は以下だ。

1位) アデル「21」 5,800,000枚
2位) マムフォード&サンズ「サイ・ノー・モア」 1,400,000枚
3位) コールド・プレイ「マイロ・ザイロト」 1,000,000枚
4位) アデル「19」 857,000枚
5位) フローレンス・アンド・ザ・マシーン「ラングス」 522,000枚
6位) スーザン・ボイル「誰かが私を見つめている」 478,000枚
7位) フローレンス・アンド・ザ・マシーン「セレモニアルズ」 414,000枚
8位) マーシャ・アンブロシアス「レイト・ナイツ&アーリー・モーニングス」 407,000枚
9位) レディオヘッド「ザ・キング・オブ・リムス」 288,000枚
10位)ビートルズ「1」 282,000枚

アデルが圧倒的だが、マムフォード&サンズが大健闘だ。4人組のフォーク・ロック・バンド。ボブ・ディランの信頼が厚い。昨年(2010年)のグラミー賞のステージでディランのバックを努めた。ベスト10に2作品が入ったフローレンス・アンド・ザ・マシーンは、女性シンガーのフローレンス・ウェルチを中心とする5人組。ジャンルが特定できない不思議なサウンド。「ラングス」は2009年に発売されたデビュー・アルバム。ビルボード・アルバム・チャートの最高位14位。長く売れている。7位の「セレモニアルズ」はセカンド・アルバムだ。

8位のマーシャ・アンブロシアス(34歳)はリバプールの出身のソウル・シンガー。芸術専門学校BRITスクールの卒業生。アデルの先輩だ。これがソロ・デビュー・アルバム。ベスト10内でアデルを除くアーティストの売り上げはトータルで約479万枚。束になっても1位のアデルの「21」に勝てない。第3次ブリティッシュ・インヴェイジョンというよりは「アデルの圧勝」という感が強い。

記事提供元:Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

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