米・インターネット経由のラジオ聴取が増加
昨日(4月10日)、ニールセンと並ぶ、ラジオやテレビの視聴率分析・調査会社アービトロンとエジソン・リサーチ社が、インターネット経由で既存のラジオ局を聴取している実態をまとめ、発表した。
調査期間は今年の1月20日から2月19日までで、2020人に電話インタビューで聞き取り調査を実施した。それによるとアメリカ人の実に29%がインターネット経由でラジオを聴取していて、1週間の聴取者は7600万人だそうだ。そして昨年(2011年)に比べると30%も伸びたという。以下が両社が調査した最近10年間の数字だ。
2003年 8%
2004年 8%
2005年 8%
2006年 12%
2007年 12%
2008年 13%
2009年 17%
2010年 17%
2011年 22%
2012年 29%
この背景にはラジオが聴けるアプリが増えたスマートフォンの普及があるという。両社の調査では、12歳以上のアメリカ人の44%がスマートフォンを保有している。スマートフォンの保有者は2年間で3倍になったそうだ。
アメリカのラジオ局は専門局に特化している。「ニュース」、「トーク」、「スポーツ」や「音楽」他。音楽でも最新ヒット曲、オールディーズ、流行のロックや70年代80年代のクラシック・ロック、ソウル・ミュージックやクラシック、ラテンやヒーリングと細かく分かれた専門局が数多くある。今回の調査ではどういった専門局が1番聴かれているかという発表は無かった。
アメリカでレコード売る為にレコード会社はラジオ局に宣伝攻勢をかける。日本のレコード会社は大都市、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌等のラジオ局に新曲を売り込むが、アメリカの場合上位は以下の10都市だ(アービトロン調べ)。
1) ニューヨーク
2) ロサンゼルス
3) シカゴ
4) サンフランシスコ
5) ダラス=フォート・ワース
6) ヒューストン=ガルベストン
7) ワシントン
8) フィラデルフィア
9) アトランタ
10) ボストン
中でもヒット曲専門の「TOP40」局で、ニューヨークのWHTZとロサンゼルスのKIISが最も重要なラジオ局。この2局を攻め落とすのがレコード会社宣伝マンの醍醐味。この2局ともアメリカ最大のラジオ局経営会社クリアー・チャンネルの配下にある。よって東と西の両局はよく「つるむ」。アメリカン・アイドルの司会者ライアン・シークレストはロサンゼルスのKIISでモーニング・ショーを持っている。
スマートフォン等でラジオを聴くが、それがどうレコードの購買に結びつくかという調査は未だない。
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