ソニーミュージックの幹部L.A.リードが窮地に
ソニーミュージック傘下のエピック・レコード会長兼最高経営責任者L.A.リードが先週、「Xファクター」シーズン3の審査員を引き受けないと表明した。これについて音楽業界誌ビルボードが内幕的な記事を書き始めた。
現ソニーミュージック会長兼最高経営責任者ダグ・モリスは前職のユニバーサルミュージック会長からソニーに移る際L.A.リードに声をかけた。ソニーミュージックに来ないかと。L.A.リードはユニバーサルミュージック時代の部下で「アイランド・デフ・ジャム」部門の会長兼最高経営責任者だった。ダグ・モリスがソニーミュージックに移ったとほぼ同時にL.A.リードもソニーミュージック傘下のエピック・レコード会長に就任した。2ヶ月後の9月、「Xファクター」の審査員になる。
「Xファクター」の出場者が優先的にソニーミュージックと契約するという事からL.A.リードは優勝者のメラニー・アマーロや3位に入ったクリス・ルネや15歳のラッパー、アストロと契約を結んだ。
契約から1年、結果はさんさんたるものだ。メラニー・アマーロのファースト・シングル「Respect」は24,000枚しか売れなかった。9月に発売されたセカンド・シングル「Don’t Fail Me Now」も20,000枚だった。最新シングル「Long Distance」を12月6日の「Xファクター」で歌ったが、視聴者が780万人だったにもかかわらず売れたのは僅か6,000枚だった。そして12月4日に予定されていたデビュー・アルバムは来年春に延期された。
自作のオリジナル曲「Young Homie(相棒)」で観客や審査員(サイモン・コーウェル以外)を総立ちにさせたクリス・ルネも悲惨だ。3月に発売された「Young Homie(相棒)」は290,000枚売れたが、8月に発売されたセカンド・シングル「Trouble」は文字通りトラブルで、売れたのはわずか51,000枚だった。
TLC、アッシャー、アヴリル・ラヴィーン、アウトキャストといったスーパースターを世に送り出し、マライア・キャリーの復活劇を演出した天才制作(A&R)マンのL.A.リード。一体今彼に何が起きているのだろう。「Xファクター」の審査員を続けない事についてL.A.リードは、「本業に専念する」とコメントした。
メラニー・アマーロに才能がなかったのか、制作を指揮したL.A.リードの感性が鈍ったのか。いずれにせよこのままだと業界トップを走るソニーミュージックに留まるのは難しいかもしれない。
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