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米マイスペースが一新、ジャスティン・ティンバーレイクで復活なるか

コラム 高橋裕二の洋楽天国

アメリカ時間で昨日(火曜日)、機能やデザインが一新されたソーシャル・ネットワーキング・サービス、マイスペース(MySpace)が公開された。オーナーの一人でもあるジャスティン・ティンバーレイク(31歳)が6年振りの新作からファースト・シングル「Suit & Tie」をiTunesストアーで独占販売した翌日だ。業界誌ビルボードが伝えている。新マイスペースはソーシャル・ネットワークと音楽発見の目的地だそうだ。

マイスペース(MySpace)は日本でも数多くのミュージシャンが登録していた音楽に強いSNSだ。2003年にサービスがスタート。フェイスブックに抜かれるまではSNSのトップだった。音楽業界にたずさわる人であれば、立場にかかわらず、このサイトを定期的に訪れていた。2005年に巨大メディア企業のニューズ・コーポレーションに買収された。買収金額は当時のドル円換算で約500億円。しかし買収後、フェイスブックの急成長とは裏腹に、業績は伸びずニューズ・コーポレーションのお荷物になった。最終的にインターネット広告代理店のSpecific Mediaに僅か28億円(1$80円換算)で売却された。

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約1年半かけてマイスペースは新しく生まれ変わった。オンデマンドのオーディオやビデオのサービスや個人向けにカスタマイズされたラジオの機能もある。そして何より「デザイン」がおしゃれになった。果たして新しいマイスペースは復活し、ミュージシャンやアーティストの育成や、アーティストやレコード会社に富をもたらすのだろうか。

以前ビルボード誌は、「成功して転落したインターネット・サイトの復活は今まで見た事がない」と言い切った。

「音楽の発見」に力を入れる新マイスペースは左から右への「横スクロール」だ。「縦スクロール」に慣れた他のSNSのファンを取り込めるだろうか。また音楽面で言えばマイスペースが休止状態だった間にYouTubeは巨大になり、音楽ビデオ専門のVEVOが急成長し、音楽ストリーミング・サービスのSpotifyも会員数を伸ばした。新マイスペースのサービスはパンドラやiHeartRadioのようなインターネット・ラジオでもない。ビルボード誌は今時音楽に特化したソーシャル・ネットワーキング・サービスを必要とする人達がいるのだろうかと疑問を投げかける。

友達とならフェイスブックでいいし、ビジネスのネットワークならLinkedlnがある。しゃべりたいならツイッターだし、写真を共有するならInstagramがあるとビルボード誌はいう。

しかしオーナーの一人であるジャスティン・ティンバーレイクは実業家でもある。元アイドル・グループ「インシンク」のボーカル。最近は俳優として映画「ソーシャル・ネットワーク」でナップスターのショーン・パーカー役を演じた。マイスペースの舵取り役は適役かもしれない(日常的な業務に関わるわけではないが)。しかしいかんせんインターネットの世界の浮沈はめまぐるしい。果たして新マイスペースは新たに大きな船出が出来るのだろうか。

ちなみに月曜日(1月14日)にItunesストアーで独占販売されたジャスティン・ティンバーレイクのシングル「Suit & Tie」はビルボード誌によると1週間で35万枚を売るそうだ。ティンバーレイク自身の2006年の「セクシー・バック」の25万枚を大幅に超えている。ミュージシャンとしては大復活である。

記事提供元:Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

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