米音楽見本市 SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)が本日より開催、17日まで
SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)は今や世界一とも言える音楽と映画とインタラクティブの一大イベント。巨大な見本市でもある。現地時間で今日(3月8日)から17日迄開催される。有料入場者は5万人を超えるという。
1987年にテキサス州の州都オースティンで始まった。オースティンにはマンモス大学のテキサス大学オースティン校と東にはテキサスA&M大学がある。両校ともに学生と大学院生が5万人を超える、公立校としては規模が全米で5本指の中に入る。そんな背景から当初SXSWは若者のミュージシャン達が集まってショーケースでライブを披露し、映画業界を目指す若者が自作の作品を持ち寄った。事務局によると第1回目は700人程の参加だったという。
その後年々規模が大きくなり、海外からの参加者も増えた。無名なミュージシャンのライブをチェックする為に大手のレコード会社も参加するようになった。ジョン・メイヤーやジェームス・ブラントが演奏してレコード契約にいたったケースもありSXSWは注目を集める。当ブログの筆者も2000年に参加した事がある。当時は昼間のパネル・デスカッションは数も少なく、会場のスタンドも寂しいものだった。しかし夜のライブは会場(小さいが)も多く大変な熱気があった。そのうち日本からもミュージシャンが参加し始めた。日本のミュージシャン達を集めたショーケース「ジャパン・ナイト」も続いている。しかしそう簡単には海外での契約にはいたらないと思うが。
1999年にSXSWのマルチメディア部門がSXSWインタラクティブに名称変更してから様相が変わったのだろう。今やIT関連の巨大イベントだ。背景にはオースティンにIT企業大手デルの本社やサムスン電子の半導体工場やインテルの拠点があるからかもしれない。市としてはIT企業の誘致で町を活性化したい。学生にとっても魅力的な町に写る。今年も日本から200〜300人程の人達が参加するのだろう。しかし内容は様変わりだ。もはやITのイベントだ。今年は具体的に言うとスマートフォン向けアプリの売り込みだろう。日本の若者起業家にとってSXSWはアメリカ他のベンチャーに売り込む絶好のチャンス。会場のコンベンション・センターで商談に励めば良い。
ミュージシャンのライブを観るには会場の距離が中途半端で深夜はタクシーがなかなか来ない。しかしレンタカーは絶望的に予約が取れず、よって会場の移動は体力が必要だ。
今年の音楽の基調講演はフー・ファイターズのデイヴ・グロールが14日(木曜日)に行う予定。アメリカの音楽や映画の業界誌やITメディアは、これから約10日間SXSW関連の記事で埋め尽くされる。大きな記事が飛び出すかもしれない。そういえば昨日(3月7日)業界誌ビルボードが、「アップルが間もなく立ち上げるインターネット・ラジオで、レコード会社にたいして使用料を最大手パンドラの半分のレートで打診している」と報じた。
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