アップル、インターネット・ラジオ・サービスが延期か、レーベル/音楽出版社との交渉が難航
先週7日、新聞ニューヨーク・ポストや新聞ニューヨーク・タイムズがアップルとパンドラの記事を書いた。ニューヨーク・ポストの見出しは、「レコード会社はアップルの申し入れを、ストリーミング・サービスの料率が低い事で断った」。またニューヨーク・タイムズは、「アップルのインターネット・ラジオ・サービスは延期になると言われた」。アップルが払うレコードの使用料が安いという記事だ。
ニューヨーク・タイムズのベン・シサリオ記者は、「アップルは今までインターネット・ラジオ・サービスを(正式に)発表した事がない。iRadioと呼んでいるのはアナリストと技術関係のジャーナリストだ」と。とはいえ業界関係者はアップルが(iTunesのようなダウンロードではなく)聴くだけのストリーミング・サービスは必ずやるとみていた。それもスポティファイのようオン・デマンドなサービスではなく、パンドラのようなインターネット・ラジオを。
ソニーミュージックという噂はあるが今回どこのレコード会社が断ったかは明らかになっていない。パンドラは大手のレコード会社3社、ユニバーサルミュージック、ソニーミュージック、ワーナーミュージックと契約している。しかしアップルに取って今後厄介なのは音楽著作権について音楽出版社との交渉だ。特にビートルズの楽曲を管理するソニー/ATV音楽出版だ。昨年EMI音楽出版を買収し今や世界最大の音楽出版社。
従来ならアップルはASCAPやBMIという実演権団体と交渉すれば音楽著作権がクリアー出来てインターネット・ラジオ・サービスを始める事が出来た。勿論レコード会社との契約は独自に結ばなければならないが。しかし今年(2013年)1月、大事件が起きた。ASCAPやBMIへのデジタルにかんする業務をソニー/ATV音楽出版が引きあげたからだ。デジタル時代のビジネスは自分たちで直接やるという事だ。これによってパンドラは再契約できたが使用料は25%もアップする事になった。それも1年間の期限付きで。アップルはソニー/ATVと直接交渉しなければならない。
アップルのインターネット・ラジオ・サービスは遅れて、この夏のスタートかもしれないというこれらの記事。そのせいか、先週金曜日のパンドラ株価は11ドル台から14ドル台に跳ね上がった。
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